| 見通しが良すぎる12%の激坂 | さあ、再びやってきた。ここまでの約40キロを、ただあの坂を登るためだけに1時間50分ほど走ってきた。今日こそは登ってやる。でも、やっぱりだめかな。達成への期待と挫折への不安。そんな思いで高根の交差点を曲がっていく。
登りはここから始まるが、まだ緩やかだ。
「湘南平」の看板があるところを左折すると、坂はだんだんと急になってくる。前回はもうこのあたりでダメだった。その地点はクリア。ギアは当然、インナーロー。これ以上軽いのはない。
そして、出た~。勾配12%の一直線の坂。今回も壁に見えた。あそこまで登るのかよ~。で、曲がった先にも坂は続くのだ。
自分との闘いが果てしなく続く。もうダメだと何度思ったことか。腕が痛い。腰も痛い。足を着きたい。しかし、ここで足を着いたら、あの絶景を思い切り楽しめない気がした。
不思議と脚は大丈夫だった。これが救いだった。やっとのことで重い重いペダルをゆっくりと回し続ける。
時速はもう5キロまで落ちている。まっすぐも走れていない。ヨロヨロしながら、歩くように登っている。前を見たら、年配の夫婦がゆっくり歩いている。抜かすためには、大回りしなくてはならない。ちょうど直線の坂の頂上付近。ここが一番辛かった。おじさん、おばさんよ、一列で歩いてくれよ。
前回、足をついたことろはすべてクリアし、直線の坂は登りきった。
はっきり言うと、この坂見た瞬間、登れるとは思わなかった。これをクリアしたことで、リベンジの可能性は一気にハネ上がった。
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