そもそもは、読売新聞のほんの小さーーいコラムに 西條センセイの
「私、実は… 甘い物が全くダメなんです・・・。」というセリフと共に、こちらの本 のタイトルを見かけたのが キッカケです。
西條ナカさん… ??
なんだか、初耳ではないよーなんだけど、前に読んだかどうかさえ 思い出せなかったのですが、気になって探ってみたところ、
どうやら、数年前に一度 読んでいたよーです…。
内容はすっかり忘れてしまったのですが…
σ(´し_`〃)ゞ
まぁ、 以前読んだ本についての感想などは さておき、今回のは、とても とてもヨカッタです!
本当は身分の高い(お殿様の隠し子)ながら、この出生の秘密を背負ったばかりに 育ての親の下を離れ
和菓子職人として見事、独立。
菓子屋『南星屋』を構えた おじいちゃん=治兵衛。
その娘=お永さん。(亭主と離縁後、父の元に戻る。)
その娘(治兵衛の孫)=お君ちゃん。(南星屋の元気な看板娘。)
この一家3人、小さな小さな 心温まる菓子屋を巻き込むエピソードが
1. カスドース
2. 若みどり
3. まるまるの毬
4. 大鶉
5. 梅枝
6. 松の風
7. 南天月
以上、7編の短編集と成っています。
なにしろ、治兵衛さんのポリシーは、
「金儲けでなく、日替わりの和菓子をできる限りの低価格で販売して、長屋暮らしの庶民のみんなに賞味してもらう。」
ということなので、季節感あふれる和菓子が 開店後の数時間のうちに飛ぶように売れてしまう毎日。
こんな小さくて温かい商いと 親子3代のアットホームな暮らしは、幸福いっぱいですが、
ここに至るまでの治兵衛の“お家世継ぎ問題”や、年頃の孫娘に訪れた 身分違いの婚姻話などなど…
これらが融合して、ただの ほんわかした甘い作品だけに留まっていないところが 面白い♪
しかし、ベースは、“人の良さ” の上にドラマが繰り広げられるので、読みながら 心がほんわかしてくるような
展開となっています。
しかも短編刻みなので、ちょっとした時間の合間に 細切れで楽しめる作品だというメリットも \(*’U`*)