女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

「3人称の自己分析」のすすめ

2007-11-17 | 日記・エッセイ・コラム

今回は、ちょっと真面目なおはなし。

 

「就活は自己分析からはじまる」と言われている。また、社員研修でコミュニケーションや部下育成テーマのプログラムでは、必ず「自分のコミュニケーションスタイルやリーダーシップスタイルを振り返る」というセッションがある。

みなさん、正しい自己認識できてますか?自分の「強み」「弱み」は?特に弱みはいつから、何が原因でそうなったのですか?

 

「自己分析」・・・。確かに大切。でも、本当の自分と向き合うのってそれほど簡単ではない。

 

私には、一度だけとことん自分と向き合って、自己分析というより自己洞察した(厳密に言えばせざるを得なかった)経験がある。

 

私は大学で心理学を専攻していた。「青年心理学」という専門分野の試験でこんな問題が出た。

 

問題:「自己分析せよ」

 

※もう20年以上も前のこと。正確な表現は定かでないが、真っ白なレポート用紙の上段にたった一行だけ問題が書かれていたことだけはしっかりと覚えている

 

開始と同時に周りが書き出したことが、鉛筆を走らせるシャカシャカした音から伝わってきた。「さぁ~私も」と思って、「私は、・・・」と書き出してみたものの後が続かない。その後約10分間「私は、・・・」を見ながら時間を過ごした。「どうしよう、なんか書かな・・・」と気持ちはあるがどうしても書けない。心の中で「あ~あ、あんたって子は一体なんやねん!」と思った時

 

「主語を『私』ではなく『第三者』に変えたらどうだろう?」

 

という考えが浮かんだ。で、ためしにやってみた。

「今から中村 桂子という人物の分析をする。彼女は、・・・」で書き出してみると、自分でもびっくりするぐらいいろんなことが浮かんできて、夢中で鉛筆を走らせた。その中で、自分の中にある二面性(寂しがりなのに自律欲求が高いこと。社交的なのに閉じこもるなど)への気づき。ある特定のタイプの人とのコミュニケーションが苦手な理由。自分が好きなタイプとつきあう人のタイプが違う理由・・・などなどいろんなことが明らかになってきた。試験終了の合図にも気づかないほど自己洞察に夢中になっていた。

回答用紙の最後に「この機会にとことん自己洞察します。残りはレポートとして提出します」と記入して、その日はバイトや人と会う予定をすべてキャンセルしてとりつかれたように自分と向き合った。決して楽ではなかった。嫌な自分、醜い自分、ずるい自分、小心者の自分等、次々と認めたくない自分がでてくる。それらと一人ひとり向き合って話をするのは気がめいった。でも、どの自分も間違いなく自分自身。「今やらなければ一生自分と向き合えないかもしれない」そんな悲愴な気持ちでレポート用紙に向かっていた。

 

今思えば、「そないに切羽詰って考えんでもええやん・・・」でも、その時は真剣だった。泣きながらレポートを書き上げたことを覚えている。

 

結果、大学時代に受講した全ての科目の中で唯一100点をもらった。でも私にとって評価はどうでもよかった。それよりもこれがきっかけで「自分とはなんぞや?」への理解が深まったことのほうがずっと大きかった。

もし、この経験がなければ、あたりさわりのない人間関係しか構築できなかったと思う。ひょっとしたら大学卒業後三重に戻っていたかも(二度と三重には戻らないと覚悟して出てきたにもかかわらず)・・・。

 

もちろん、自己分析して自分の思考や性格が何に起因するかがわかったからと言って、すぐに改善できるわけではない。もしそうなら、今頃私は「むっちゃええ人!」でないとおかしい。でも、残念ながらそうではなく、未だに発展途上でおとなげないところがたくさんある。このブログで今まで語ってきた私の数々の失敗談がそれを物語っている。

 

ただ、自分がわかっていると

 

①物事を自責でとらえられる

②何を克服すればいいかがわかっているという安心感がある。

 

この2点が自己成長していく上で支えになったのは事実。

 

このブログを読んでくれている人の中で「人間関係がうまくいかない」「なんとなく最近いろんなことが停滞している」「同じことで怒られる」などももやもやを感じている人がいたら、一度やってみてはいかが?

新しい自分に出会うきっかけになるかも!ですよ。

 

感謝