中村です。
月に一度美容室に行く。
滞在時間約2時間。
この2時間は、ただ単にカットやカラー等『施術をうける』だけでなく、スタッとの会話
を楽しんだり、雑誌を読んだり、ぼーっとモノ思いに耽ったり・・・
気分転換やリラクゼーションの意味あいもある貴重な時間
よって、過剰なサービスはNG,キャピキャピした会話もNG,落ち着ける空間で
フレンドリーすぎず、素っ気なさすぎない接客を受けたい。
今通っているサロンはある人の紹介で通い始めて3年。スタイリストの技術もさる
ことながら、若手スタッフの一生懸命さが心地よく、何より
「かまってほしい時はかまってくれる」「放っておいてほしい時はそっとし
ておいてくれる」
状況対応型接客が気に入っている。
ところが、先日は違った。
アシスタントについてくれたスタッフ君は、お客様に喜んでもらおうとシャンプーや
マッサージ、カラー剤の塗布など手を抜かず一生懸命やってくれた。
いつもながらの心地よさ
ところが、
入社2年目の彼は、自分が知っている髪や美容に関する知識を私に伝えたくてしか
たがない。シャンプー、トリートメント、カラー剤に至るまで、その特徴や成分につい
て事細かに説明してくれる。
が、それらは既知のことばかり。
そりゃ、3年も通ってたら今までに何回も聞いてるって!
はっきり言って、もうええねん(=聞きたないねん)。
「一応常連やから知ってるでぇ(ありがとう)」
と冗談ぽくではあるが、「これ以上説明はいらんで~オーラ」出したのに彼には届か
なかった。
カラー剤を髪に浸透させるための時間。
私にとっては、サロンでいれてくれたおいしいコーヒーをのみながら、最新の雑誌を
見るお気に入りに入りの時間
この時間はできればそっとしておいてほしい。ということもあって雑誌から目を離さず
「話しかけないでね」
オーラを出しているのでいつもは静かに過ごすことができる。
その日も私がいつも通り、好みの雑誌を見ながらコーヒーを楽しんでいた時、
フッと視線を感じて顔を上げた。鏡越しにアシスタント君と目があった。すぐに
視線を雑誌に戻したが、スッと近づいてきた彼がこう言った。
「中村様、髪質やスタイリング、また美容に関して何か悩みや、知りたい
ことありませんか?」
正直この時点で私には困っていることも知りたいことも全くなかった。
厳密に言えば、悩みはあるにはある。
ただ、
「シミが・・・」
「シワが・・・」
と言ったところでどうかなるはずもない。それに知りたいことは、その都度スタイリスト
に聞いている。
困っていることや知りたいことはあるが、彼に聞きたいことは特にない。
もっと言えば、それよりも何よりもそっとしておいてくれ~
が本音。
とは言え、そこは心の広い大人を装って、
「んんん~っん、髪のことはいつも○○さん(担当のスタイリスト)に聞いて
るし、自分のことは全て受け入れているから・・・いいわ。ありがとう」
⇒お構いなく!!をさりげなく伝えたつもりだった。
が、この「さりげなく」が中途半端だったようだ。
「せっかく美容室にきていただいたのに髪やスタイリング、美容のことなん
でも聞いてもらわないともったいないです。僕ができることならアドバイス
させていただきますので・・・」
この返しに思わずおっさんスイッチON
「お前に聞きたいことなんかない!放っといてくれ言うのがわからんの
かぁ」
これはあくまでも心の中の声。
実際は巻き舌&恐い顔は封印。
穏やか&声量抑えめでも「真顔」で
「ごめん、本当に聞きたいことないし、それよりゆっくり雑誌読みたいねん」
と上品に伝えた(つもり)
それにしてもお客様にこんなこと言わせたらあかん
接客の研修で必ず言うフレーズ、
接客業は気配り心配りしてお客様をおもてなしする仕事!間違ってもお客様に気ぃ使
わせたらあかん!!
これを声を大にして言いたい
お客様は、
聞きたいことしか聞きたくない!
聞きたいことがあれば聞きたい人に聞く!!
聞きたくもないことを聞かされるのはウエルカムどころか不快。それでも聞いてくれる
のは、お客様が我慢してくれてるだけ
大切なのは軸(視点)がどこにあるか?
自分軸(視点)・・・自分がしゃべりたいことをしゃべる。自分がどうしたいか中心。
お客様軸(視点)・・・お客様が聞きたいことをしゃべる。お客様がどうしてほしい
いか、何を聞きたいか中心。
自分軸のサービスは「押し付け」「おせっかい」
お客様軸のサービスは「ウエルカム」「親切」
と受け止められやすい。
「どんなつもり」ではなく「相手がどう感じたか」が全て。