中村です。
様々な階層の研修を企画し、実施するのが私の仕事の一つ。
研修を企画する際、そのほとんどは、1日や1泊2日で終了する
のではなく半年間程度かけて実施するようプログラミングするこ
とが多い。
短期間で一気に詰め込むよりも、半日×5~6回に分けて実施す
るほうがより高い成果が得られると考えているのがその理由。
ただ単に、研修時間が長いからではない。
半年近く研修を続けていると、その間に様々な意識や気持ちの変
化が見られる。また、受講者同士の微妙な力関係やその変化が見
られることも多い。
さらに、毎回行う研修の振り返りの際「今回はリーダーシップを発
揮できなかったので、次回は積極的にリーダーの役割を担い
たいと思います」などとテキトーなコメントを書いていると、次の回
に
「●●さん、前回次回は積極的にリーダーをとコメントしてたから、
今回のリーダーお願いします」
と半強制的に役割を振られることもあり、ごまかせない
環境が緊張感を高め、新しい自己(苦手な自分)を発揮する機
会を得ることができる。
半年間も何するのん中だるみするのではと思われるか
もしれないが、たとえばリーダー層の研修であれば、
対象者のヒアリングに始まり自己の現状の棚卸を行いある
べき役割を認識し今後のありたい自己を明確にして自己開
発宣言を行う
という流れが基本パターン。あるべき役割認識をグループで議論
しあい、本当にありたい自分を考えていると6回かけでも時間が足
りないくらい。
今後は、内容ややらせ方をさらにブラッシュアップし、より役割認識
が深まり、研修で新たな自分(苦手な自分)が克服できるようトレー
ニングし、自分を変える場になるようにしていかなければ・・・と考え
ている。
研修の集大成として行う自己開発宣言の際、こだわっ
ているのが
「自分らしさ」
リーダー層の研修では、最後のリーダーシップ開発宣言の際、
「あるべきリーダー像」に「自分らしさ」を
プラスして「ありたいリーダー像」を明確にする。
自分らしさ=自分の持ち味
と言い換えられるが、自分らしさを無条件に容認すると、ややもす
ると自己成長を妨げることにつながるので、以前はさほど重要視
していなかった。
でも、
最近は、受講者が10人いたら、性格も価値観も持ち味も10人
10色。自分らしくていいし、自分らしくなければ、長続きしないと
思うようになった。
ただ~し
その自分らしさは、
◆あるべき役割認識が正しくなされている
◆自分らしさが強みとして発揮される
という2つの前提条件を満たしてこそ意味がある。
たとえば、社会にでてまだまだ未熟な新入社員が、「マイペース」
なのが自分らしさだから、私は私のペースでいきます。と開き直ら
れても困る
「自分らしさ」は大切にするべき。ただし、その「自分らしさ」は、そ
れらが仕事の中で「強み」として発揮されてはじめて活きる。
たとえば、「規則性の高い」管理者。規則性の高さは強みとして発
揮されると「決められたルールを守り、守らせるきちんとした管理が
できる」=。
一方弱みとして発揮されると、「融通が利かなく、的確な状況判断
ができない=」という状況に陥る。
先日もある会社のリーダークラスでの研修で、成果報告会を実施
した。
その中にこんなプレゼンテーションをした受講者がいた。
「私は臆病です」これだけだと弱みです
昔から臆病なところがあって、今回の研修を通じて改めて自分が臆
病だということを再認識しましたまだ弱みです
臆病な性格はなかなかなおせませんが
自分が臆病であるということを認識したうえで、自信を持って行動で
きるようしかるべき準備をして本番に臨み、臆病さゆえの緻密で慎重
な自分を発揮していきます。
さらに、おおざっぱで豪快なタイプの人が見落としがちなところに着目
しサポートしていきたい
臆病すぎる性分(しょうぶん)は時にストレスをため込み、部下から見
ると頼りにならないと受け止められることが多い。とは言え自分自身の
性分(しょうぶん)をそんなに簡単に変えられない。だったら、今の自分
にできることは何か?と考えたうえの結論。
また、臆病だということをみんなの前で堂々と発言できたこと自体で少
しではあるが克服
今後も、その人らしく、役割を発揮していける場をつくっていきたい