その日9時30分に大阪の天下茶屋駅から徒歩15分のところにあるクライアントに行く予定だった。駅に着いたのが9時少し前。5分前に着くとして9時10分に駅を出れば充分。
15分ほど時間があった。
「そう言えば、今日はバタバタと家を出たためコーヒーを飲んでないなぁ・・・」と思った瞬間。無性にコーヒーが飲みたくなった。
で、15分をコーヒータイムにしよう!と決め、駅の商業施設に入った。その商業施設を入った左側に言わずと知れたマクドナルド。通路を挟んでちょうど反対側にカウンターとボックス席一つという喫茶店(いや、喫茶コーナーと言ったほうが正確)があった。
マクドナルドにはたくさんのお客さんが入り、新聞やモバイル端末を見ながら朝マックしているのが見てとれる。どこのマクドナルドでも見受けられる朝の光景。
喫茶コーナーにも視線を向けてみる。
と(予想に反して)こちらもほぼ満席。どちらでコーヒーブレイクするか迷った挙句、コーヒーのいい香りにつられて喫茶コーナーのカウンターに唯一あいていたカウンター席に腰をおろした。
「ホットコーヒー下さい」
オーダーすると、人のよさそうな店長らしき男性が笑顔で対応してくれた。さっき予想に反してと書いたのは、単純に値段。マクドナルドで朝のコーヒーはいくらか?おそらく200円までだろう。一方、この喫茶コーナーのコーヒーは一杯280円。当然、客は安い方に流れるのではないか?しかも、最近マクドナルドのコーヒーは結構いける(おいしい)
ところが、この280円の店が結構繁盛している。その理由は15分でわかった。
もちろん、味はおいしい!香りもいい(やっぱり淹れたてははおいしい!)。でも、それだけではなく、この喫茶コーナーの店長(らしき男性)をはじめパートさん(らしき女性)も含めてスタッフの接客がナチュラルでフレンドリーで居心地がいい。
(私が滞在していた15分間)ほとんどが常連さんらしきお客様は、「いつものアレ」を注文し、ほどよく会話をし、「ごっつぉうさん」と言って帰っていく。その後姿を「行ってらっしゃい」と見送るスタッフ。内輪トークが行き過ぎず、よそよそすぎず程よい。
見慣れぬ顔の客(私のこと)にも細かい配慮をしてくれる。
水を一口飲んでグラスを置いた時
「お急ぎですか・・・?」
と店長らしき男性から声をかけられた。心の中で「なんで私が15分しか時間がないこと知ってんのん?」と思ったその絶妙のタイミングで、
「ちらっと時計みはったんで、お急ぎなんかなぁと思って・・・
と柔らかな笑顔で言葉を続ける・・・。そこからしばし穏やかな会話。
かくしておいしいコーヒーと気持ちの良い接客、「お気をつけていってらっしゃ~い」の声ととびっきりの笑顔に送り出されてお客様のところへ・・・。
一杯280円のコーヒー。値段は高くてもマクドナルドには負けない「何か」がある。この「何か」生き残りを決める
朝8時前後は通勤のサラリーマンや近所のおっちゃんやおばちゃんもたくさん来店、いつもこの時間帯は満席状態でした。
ここのコーヒーはうまいですね。 とはいえ、お店のスタッフのアットホームな感じがお客さんを逃がさないのかも?