izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

有楽町マリオン9階のプラネタリウムで、「星空と怖い絵」を鑑賞(*゚∀゚)

2022-07-24 15:42:50 | アート・文化

天の川は英語ではmilky way。。何故”milky”というのか。。。?と言う解説から始まった「星と怖い神話 怖い絵×プラネタリウム」。「怖い絵」シリーズの著者である中野京子さんが解説、ミッツ・マングローブさんがMCを務める上映である。中野京子さんの著書「怖い絵」は、数々の西洋古典美術を”怖い絵”という切り口で解説し”眼からウロコが落ちる”感じで面白く読んだ。それまで感性でしか観てこなかった絵画鑑賞を、その背景、由来、といった観点から観ることでより深く作品を理解することができる、ということを示してくれたドイツ文学者であり美術史家である。

プラネタリウムで?解説?上映??どんな感じになんだろう???サイトを見ると、座席は椅子席と三角形の大きなビーズクッション席(?)のどちらか。プラネタリウムのドームがあって椅子席が倒れる空間しか思い浮かばなかったので、会場のイメージが湧かない。。。😅

 

実は友だちと一緒に行くつもりだったがスケジュールがなかなか合わず、よく見たら7月22日が最終上映(゚Д゚)。「行くなら今日しかない!」っと、午後の回に時間を合わせてドタバタと家を出たのが20日。会場は、有楽町駅すぐ前の有楽町マリオン9階「コニカミノルタプラネタリウム」だ。

DOME1の方に入場すると、そこはまさにプラネタリウムのドーム型の天井が広がる空間。中央のビーズ型クッションシートが並び、囲むように椅子席(サイドテーブル付き)が並んでいる。クッションシートは天井の星空を真上に仰ぐように座れる。リラックスできそうだ。で、ドーム全体に広がる星空を背景に、ギリシャ神話を題材にした古典名画が投影され、ミッツ・マングローブさんの進行で中野京子さんが一点ずつその絵の意味するところを解説する。面白い!

満点の星空に流れる「天の川」は英語では「milky way」という。何故 milky wayというのか??

その由来を描いた絵画作品がまず天空に投影される。ギリシャ神話の神ゼウスとその妻ヘラの確執を描いたものだ。

ゼウスが自分の愛人が生んだ乳児を、豊富な乳が出るヘラの胸に押しつける。よく見ると、ヘラの乳首から白い細い線が数本ピューっと真っ直ぐに勢いよく描かれている。乳が放出している様を描いたものだ。これが「milky way」と呼ばれるようになったそもそもの由来なのだとヽ(゚Д゚)(ゼウスとヘラ、と何故分かるか?実は絵のなかにそれぞれを象徴するものが描かれているからだと。。何かは忘れちゃいました(^_^;))。自分の夫が他の女に産ませた赤ん坊を、何気にヘラに押しつけるゼウス・・?!!これは怖いでしょう〜!!(ヘラがゼウスの愛人たちに次々とトラブルを持ちかけるのも無理はない)。

 

何点かの絵画作品の中でも、もっとも怖い絵が「我が子を食らうサトゥルヌス」だ!!

この作品は、1636年-1638年にルーベンスが描いたものと、1819年-23年にゴヤが描いたものと、2点が投影されたが、どちらもタイトル通り我が子を食らっている絵だ。サトゥルヌスは土星(=サトゥリア)の神。キリスト教でいうところの”サタン”とは違う言葉なのである(というのも初めて知った😲)。ルーベンスの方が写実的で怖さが一層増す。ゴヤの方はちょっとおどろおどろしいけどユーモラスでもある。タッチも作風もまったく異なるが、テーマとするのはどちらもギリシャ神話(自分の息子に倒される運命を聞いていたので、生まれた子供をその都度呑み込んだという?!)だ。

最後は有名な「ヴィーナスの誕生」で締め。愛と美を司るヴィーナスの誕生にも、背景にゼウスとヘラが関わる怖〜いお話があるのだった。。。😅

 

そんなこんな、え〜っ!?そうなの〜!!ということばかりの45分間。星空を眺めながらリラックスして西洋古典絵画の背景も分かって満足、気持ち良かった〜!😊でした。

ここでは、今回のような上映の他、「LIVE in the DARK〜CLASSIC−」と題してプロによるクラシック生演奏が開かれているという。こちらも気持ちよさそう〜(*^_^*)なのであった。

 

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アンドレ・ボーシャンと藤田龍児、異なる二人の絵画展。穏やかに明るい世界がほんわりと温かい

2022-07-22 14:41:56 | アート・文化

この1ヶ月間、希さんの手術・入院以来、太極拳と経絡の指導教室に行く以外は月2回の形意拳の練習すらお休みして、毎日が家事の連続(お風呂掃除は効率よく処理でOK(*^_^*)スーパーの買い出しが一番追われる🥺)。。。

今日(7月22日)は、退院2週間後の診察日だった。朝9時30分の予約で「その前にレントゲン撮影をしておいて」とのことで病院に入ったのが朝の8時30分前!!こんなに早い受診時間は初めてだ(^_^;)。この病院は待ち時間はそれほどないのがラク〜😊レントゲンを済ませて整形外科に移動して、診察開始から3人目。手術跡を見て「あ、きれいに治ってきてますね。後はカサブタがとれればきれいになります」。あっという間に診察も終わり、お昼前には帰宅した。

 

で、まあ、希さんの退院後は、家事の手抜きも身について、空き時間を作って少しずつお出かけも。

まずは東京ステーションギャラリーで開かれていた「アンドレ・ボーシャン + 藤田龍児 牧歌礼讃/楽園憧憬」。チラシに載っていたほのぼのと突き抜けたような明るい絵を観たくて、7月10日の終了間際に駆け込み鑑賞😊東京ステーションギャラリーは好きな美術館のひとつで、年に数回はなにがしか気に入った展覧会がかかる。

今回のアンドレ・ボーシャン + 藤田龍児は、時代も国も異なる画家2人の絵画展で、作品はどちらも明るい色彩に溢れ花々が画面いっぱいに満ち溢れ、あるいは田園風景が広がる中に象徴的な人物や犬が描かれていて、ほのぼのとした気持ちになるものであった。

アンドレ・ボーシャンは第一次世界大戦に従軍。除隊後に戻ると”経営していた苗木農園は破産し、妻はその心労から精神を病み”といった状況の中で46歳になってから本格的に絵を描き始めている。一方の藤田龍児は若い頃から画家として活動していたが、”50歳を目前にして2度の脳血栓をおこし半身不随となって”しまうが、左手に絵筆を持ち替え、牧歌的な作品を描き始めたという。

まったく接点のない2人の画家に共通するのが、絶望の淵に立ちそこから蘇るように”絵の力を、アートの力を彼らが信じて疑わなかったからではないか”と、解説にある。その言葉通り、一見牧歌的でのどかそうに見える風景画に込められた強さや許容力、包容力といった深い精神性(生命力の輝きといったような)を感じるのであった。まさに日々忙しく目の前のことに追われている身にとって「じわじわ効きます、しみじみ沁みます」のキャッチフレーズ通りの展覧会でありました。

  

 

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ギャラリーナユタで開催中。小島敏男展ー日々の素描「草も物語のようにそこで育つのだ」

2022-05-30 10:52:24 | アート・文化

銀座・奥野ビル内のふたつの画廊、「ギャラリーナユタ」と「ギャラリーカメリア」の2会場で、小島敏男展ー日々の素描「草も物語のようにそこで育つのだ」が開催中。

 

ギャラリーナユタの佐藤香織さんから届いた案内状に作者自身のコメントがあり、そこには副題である「草も物語のようにそこで育つのだ」は、アメリカの作家レスリーMシルコウの小説からの引用が書かれている。

 「今そこへ戻って行こう。女がおしえてくれた草の生えているところに。

 女のかわりに種を集め、砂岩の山々の近くの場所に注意して蒔こう。

 雨はやさしく降り注いで薄い膜がつぶされたり破られることはないだろう。

 やがて小さな芽や根や葉が四方八方へ伸びてくるだろう。

 草も物語のようにそこで育つのだ。星のように強く透き通っているのだ。

 「儀式」レスリー・M・シルコウ著 講談社文芸文庫より」」

この文章を読みながら素描作品を観ていると、どこか遠く深い場所へと想いが広がる。。。

 

今回の展示は、同じ奥野ビル「ギャラリーカメリア」との同時展示で、「ギャラリーカメリア」では木彫とその制作過程で生まれる素描・写真も展示。二つの画廊の作品を観ることで、さらに作品とそれが生まれるまでの作者の心象が伺えそうだ。。。。

■小島敏男展ー日々の素描「草も物語のようにそこで育つのだ」

会期:2022年6月5日(日)まで

時間:12:00-19:00 ※6月1日休・最終日17:00まで

 

ギャラリーナユタ次回は、6月11日(土)〜6月25日(土)民族画の香りを残しつつどこか無秩序で破天荒な立体作品、松本倫子展「ジャジャーン!」を展示。突き抜けた明るさが楽しそうだ。 

詳しくは https://www.gallerynayuta.com

 

 

 

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沼沢ゆかりさんは、「見えぬものの美」グループ展に出品

2022-04-04 11:30:29 | アート・文化

絵画、イラスト、写真、クラフトetc.など多様な手法・視点で作品を発表しているアーティスト20名余りが描いたそれぞれの「美」。

それぞれの視点は違っていても、美しさや平和、安らぎ、祈り等々、思い求める心は同じ。社会や地球や自然環境や複雑に絡み合う世界を前に、個々の気持ちに寄り添う作品が並ぶ。

友人でもある沼沢ゆかりさんは、イラストレータでもある一方素晴らしいシタール奏者でもある。優美で叙情性のある沼沢さんのシタールを、また聴きに行きたいなぁ。

 

■見えぬものの美

会期:2022年4月4日(月)ー4月12日(火)

時間:12:00-19:00 最終日は17時まで

場所:Gallerie la (銀座・奥野ビル601号)

http://www. salondela.com

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「榎本香菜子展ーミツバチの羽音は聞こえるかー」でウクライナを想う

2022-04-04 10:51:18 | アート・文化

ロシアによるウクライナ侵攻のニュースを見るたびに、ウクライナの広大なヒマワリ畑を想う(実際に行ったことはないんだけど)。

これまでも、榎本香菜子の作品にはヒマワリ畑(そのイメージ)を描いたものが多い。ヒマワリ畑に欠かせないのがミツバチだ。ミツバチとヒマワリ。。。。今回の"ぎゃらりい たねから"企画による「榎本香菜子展ーミツバチの羽音は聞こえるかー」で、作品名にもある「ハニカム(蜂の巣)の崩壊」に榎本香菜子はウクライナへの想いも重ねている。「・・・単にミツバチのことだけを憂いているわけではない。世の中全体が、大きな欲望の渦の陰で均衡を失い、何かが崩れてきている。その音はだんだん大きく迫ってきているような気がするのだ」と。

地平線まで続くヒマワリ畑とそこに広がる広大な空と雲を描いた作品を前に、大きな渦に巻き込まれそうな不安と無力感を自覚しつつ、それでも真っ直ぐに咲くヒマワリの強さとミツバチの役割を通して、せめて見つめ続けること、記憶しておくことを心しておかなくてはならないと考えるのであった。

■榎本香菜子展ーミツバチの羽音は聞こえるかー 

会期:2022年4月12日(火)〜17日(日)

時間:12:00-18:00 最終日は16:00まで

場所:千駄ヶ谷・ぎゃらりい たねから www.gallery-tanekara.jp

 

 

 

 

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