izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

顧 留馨 著「陳式太極拳」/三代一美 訳~その4

2014-01-12 13:28:24 | 太極拳
動盪(動揺)性の特点


 意と気もまた、上に述べた規律に従っている。
 上で述べた通り、外部の神態と外気の動きは、意気が外部の表現をはっきり表して、内在する意気を代表しているのである。
 このような神気を外に表すポイントは、主に、内在する意識を外の動作に注ぎ、併せて動作中の表現に意識を集中させると、強くて活発になり滞ることがない。しかし、注意力の強さと内部の神経の活動は同じであるから、同様にして、上昇下降という動揺(動作のうねり)の特徴を持っている。


 だから、練拳には必ずこのような特徴に従い、注意力の安定をはからなければならない。
注意力が定まれば、思考が散漫になるのを防ぐことができる。しかし、練拳にあっては長時間同じ強さの注意力を維持することが必要なので、これは容易なことではない。
 実際、片時の間でも注意力の度合いには高低がある。それ故、運動過程において、もしまったく起伏なく動揺の運動がなければ、上述の規律に従わないばかりでなく、同時に注意力の安定性も壊れるはずである。なぜなら、太極拳の安定した注意力には一定の規則を身につけ(たとえば快慢相間、開合相寓、方円相生、そして剛柔相済など)、併せてそれらを一動作中に統一するからである。


 これらの規定は意気運動を自然に促し、動揺を作り出し、併せて外部の神気鼓動と内部の意気・動揺を協調させることができる。それにより、内在する意気運動を高め、つまり外の動作をうながすのである。


 太極拳は意気運動であるから、長く練習している人は気持ちをある一部分に持っていくだけで気の動きが分かるようになる。このため、多くの人が歳月を惜しまず朝晩套路を練習し、同時に折々型を点検するのは、まさにこれに至るためのものである。
 太極拳の動作が定まった後、大脳皮質の中で興奮と抑制の過程が確実となり、次第に交替に活動するようになる。
 同時に、筋肉もまた協調して、収縮と放松するようになる。また、たとえ偶然に突然刺激を受けても、このように協調している動作には損害を被るはずがない。この点にいたって、筋肉の動きと内蔵器官との間には、すでに堅固な協調的関係がつくられていることが表明された。つまり、意が至れば気は至り、気が至れば勁も至るのである。

以下続く 

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