横浜トリエンナーレの赤レンガ倉庫展示に(やっと)行った。
1号館の2階と3階の広いスペースに、9人の作家によるインスタレーションや絵画、映像などが展示されている。
中でも印象に残ったのは、小沢 剛の「帰ってきたK.T.O」の一連の作品。
これまでの「帰ってきたシリーズ」に続く今回は、横浜出身の美術家・思想家の岡倉天心(覚三)をテーマに、看板絵と映像、音楽で構成されているインスタレーション。
ドローイングを元に、インドの看板絵の職人が描きあげた作品は、風景の中に岡倉天心の顔が浮かんでいて、まるで4次元の世界を見るような不思議な面持ち。。。
次のコーナー、クリスチャン・ヤンコフスキーの作品は、ポーランドの重量挙げの選手達数人が、ワルシャワ市内の歴史的人物の彫像を持ち上げようとする「重量級の歴史」と、公共の場にある彫刻を利用してストレッチをする学生の写真。。さらには、公共彫刻を使って日本人のマッサージ師が身体を診断する映像もある。
台座に固定された彫像(しかもデフォルメされている)を指して、真面目な顔して「ここが肩です。ここの凝りをほぐして。。」と手を動かしている(!?)。おかしい。面白い。(凝ってるんです〜。。。石だから。。。動かないし。。)
他に、中国のドン・ユアンによる伝統的な民家の室内のすべてを再現した絵画と立体。社会の中の女性性とジェンダーを刺繍と絵画を合わせた作品に表現した青山 悟の作品も面白かった。
もっとも今日的で実感として迫ってきたのは、数人のキューレーターと12組のアーティスト達によるプロジェクト「Don't Follow the Wind」ーウォーク・イン・フクシマだった。
放射能汚染地区で帰還困難区域となった場所で撮影された360度の映像を、段ボールや紙袋や箱でつくられたヘッドセットを被って観るのだ。
人がいないその地域に設置され、大部分が隠されている作品やその周辺の風景を、私達は直接観ることができない。。。いつになったら戻れるのか?いつになったらそこいある展覧会に立ち入ることができるのか?
未だにそこにあって、現在進行中でもある、忘れてはいけないことを、アートという手段によって見せるプロジェクトは、心にズンッ!と訴えてくる。
開港記念会館では、真っ暗な地下会場に憲法9条をLEDで表した作品「アーティクル9」、瓦礫の中から眼光を放つゴジラをモチーフにした作品が展示されていたが、”暗い場所はコワイ”私的には、怖かった!という印象が残りました。。。
おばあちゃんの祭壇
ヘッドセットを被って映像を見る
画像が寝ちゃいました。。。
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