今年は5月頃から、次から次へと大きな変化が押し寄せ、それに付随しての作業や後処理、準備などに追われた年だったが、それらも一段落した水曜日、銀座・奥野ビルにあるギャラリー「Gallery Nayuta」に。
銀座1丁目の名鉄メルサ裏手にある奥野ビルは、銀座で地区80年以上になる古くて美しい建物。
今は、そこに20店のアートギャラリーが入る、アート好き・古い建物好きには知られたスポットだ。
画廊でお喋りしてると、中を覗きこみながら、まるで観光地のように廊下を歩く人が結構いるのだ。
以前にも紹介した「Gallery Nayuta」では「工房集セレクション展〜12の月のおくりもの」が開催中であった。工房集の今年の12人の中からチョイスした6人の作品を見ながら佐藤香織さんとお喋り。
障害のあるアーティスト達が日々の表現行為をしている作品が展示されている。ポストカードくらいのサイズの紙に細かくギッチリ描かれた作品は、運動とか、台所用品とか、四文字熟語とかなんとなくテーマがあり、それらはすべて記憶によって書かれているもの(!)。。。すっかり忘れている四文字熟語の作品もある。
佐藤香織さんの「この突き当たりのギャラリーも面白いですよ」というオススメに従って、同じ階の左手「ギャラリーカメリア」に寄って「Mina Yamano's Exhibition」。
エッフェル塔やバレエのデッサンなどの小品の数々はとってもパリ風。歌手としても活躍中の方の初の個展とか。”歌うように描きたい、描くように歌いたい”ということば通りの軽やかな作品に気持ちが軽くなる。
香織さんが、「3階の『巷房 KOBO』もいいですよ〜」というので、3階におりて「俎徠友香子展 ”Mirabillia”」を覗く。
フェルトを何層にも重ねて、圧縮して、切ったり抉ったりした不思議な立体作品が、壁からキノコのように生えている(!)ふんわり、むくむく、ほっこりして、思わず触りたくなるような布の暖かみと形に、チョット新鮮なショックを感じた。どれも小さい作品なのだが、ファイルを見ると大きなものもある。
「地下の階段下に大きな作品もあります」というので、地下まで階段を降りてこれも見る。
この奥野ビルは、1932年築と1934年築が左右対称に並ぶ建物で、だから、階段室が壁を隔てて二つあり、踊り場では二つの階段室が窓で繋がって(?)いて、何気に花がおかれていたりする。
なんだか、小さな巣がいくつも集まって一つの集合体をなしているような、古くて静かなのだが、賑わいのある建物である。
エレベーターは手動で、扉も手で開ける。「一度に2箇所の識別は出来ないので(!)、誰かと乗り合わせたら、一人が降りたら次の階を押す」とか。パリのアパルトマンのよう。
「Gallery Nayuta」は通常、開いているのが水曜日からの週末で、私は、木・金・土・日は、教室もあって来られないことが多い。貴重な水曜日にタイミングよく寄れて、2つの個性的なギャラリーも紹介してもらって、なんとなく身体も軽く、得したような気分。
こんな小さなギャラリーで出会う若い新しい作品に刺激を受けて、抱え込みそうになる余計なグシャグシャがすっかり落ちました。
「Gallery Nayuta」https://www.gallerynayuta.com 「工房集セレクション展〜12の月のおくりもの」
「ギャラリーカメリア」https://www.gallerycamellia.jp 「Mina Yamano's Exhibition」
「巷房 KOBO」http://gallerykobo.web.fc2.com/kobo1.html 「俎徠友香子展 ”Mirabillia”」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます