さてコロナ禍で景気後退が非常に危険水域まで達しており、数量政策学者の高橋洋一氏の推計によれば250万人と言う失業者を出す恐れがあると予測。
また、4〜6月のGDPは前期比−20%は超えると言う予測まであります。
これはリーマンショックを遥かに超える景気の減退です。
既に経済苦による自殺者が出ており、他人事ではありません。
有効性のある景気対策を打ち出さねば、日本経済はダメージを受けたまま、国民は疲弊してしまい、10万人を遥かに超える経済苦死者を出してしまいます。
戦後景気等は生産力の低下からインフレ経済になり易いと言う事だそうです。
しかし、現在は生産力を失っているわけではありませんからデフレ不況に陥る可能性が高い。
と、言うかコロナがなくてもデフレ不況からの脱却が出来ているわけではないのですから、更なるデフレの悲劇を招く恐れがあるのです。
世界的にコロナ禍にあり、更に我が国の景気後退の始まりは消費増税です。
消費増税を機に、コロナやオリンピック延期が追い討ちをかけている状態です。
経済活動は1日でも早く再開しなければなりませんが、現在の感染者推移でどれほどの規模で再開するかは難しい判断でしょう。
しかも世界規模でコロナが蔓延し、生産を落としています。
資源を輸入に頼る我が国には重大な事です。
経済活動再開後、生産しようとしても上手くいかない事も考えなければなりません。
コストプッシュインフレーション
この様な状況に陥る可能性があるからです。
コストプッシュインフレーションとは、原材料や資源の高騰により物価上昇してしまう状態です。
それによりスタグフレーションと言う状態に陥ります。
スタグフレーションとは景気後退の中インフレーションが同時進行していく状態です。
通常ならば景気の後退、景気の停滞では需要が落ち込むのでデフレ、つまり物価下落が起こります。
しかし例えば原油価格の高騰などの資源高騰や原材料の高騰により景気が停滞しているにもかかわらず、物価上昇してしまいます。
物価上昇するけれど、利益は薄く賃金は上がらない、資産価値も目減りすると言う厳しい状態です。
現在はコロナ禍により海外からの原材料輸入が滞り、更に原材料産出国も産出出来ない状況にあります。
いざ、生産を始めたら原材料に対する需要に生産が追いつかず原材料が高騰するかもしれません。
すると『コストプッシュインフレーション』となり『スタグフレーション』を引き起こすと。
デフレ脱却には金融緩和で利率を下げ円安にしなければなりません。
しかし原材料の多くを輸入に頼る我が国は原材料が高騰したなら円高にしなければ価格を抑えられない。
輸入物価の上昇は自国だけに収まらないので、対策が非常に難しく不況からの脱出は困難です。
第一次世界大戦後のドイツはインフレ経済に苦しんだとよく言われるのですが、実際にはスタグフレーションにあったのです。
こうなると、自国だけでは収まらず、先の大戦以前なら覇権主義に出て他国を侵略し植民地化して脱却を図ると言う手段に出るところです。
しかし現在その様な手段を取る事は出来ません。
現在その様な手段に出ているのは中共支那です。
武力を使わず『チャイナマネー』を武器に後進国を食い物にしています。
これは明らかに前時代的覇権主義です。
我々は1970年のオイルショックでスタグフレーションを経験しています。
今一度オイルショック下の日本を勉強し直し、未曾有の不況に備えなければなりません。