犬神スケキヨ~さざれ石

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旧、新憲法 統治と主権(1)

2020-09-21 12:00:00 | 連続
さてかなり久しぶりに記事をアップしていきます。

我が国の根幹を知る為に改めて『憲法』の
特に主権や統治、連続性について考えて行こうと思います。
かなり難しい問題ですが、なるべく解りやすく記事にしたいと思います。

数回に渡り掲載していきます。

しかし我が国の根幹に関わる事ですし、改憲を念頭に考えれば必要な事であろうと思います。

改憲するにも『憲法とは何ぞや』を知らねばなりません。
では、始めてまいりましょう。

我が国には憲法に対して、いわゆる『護憲』と『改憲』とに意見は分かれています。

『護憲』を主張する人々は、平和憲法を変えるな!と言います。
『改憲』を主張する人々は、この憲法では国家を成し得ないと言います。

どちらが正しいのかは、国民が議論して決めれば良い事です。
しかし、それを決める議論が出来る程、我々は憲法を理解しているのか?
その様な疑問が湧いてきます。

まず現憲法は帝国憲法第73条に基づいて改憲手続きにより制定されたと言う経緯があります。

護憲派の主張は現憲法はあの大東亜戦争の悲劇で多大な犠牲を払って手に入れた『平和憲法』であるから一言一句変えるな!
その様な主張です。
これは敗戦を確定した『ポツダム宣言』受諾により、憲法改正の限界を超えて国家、或いは憲法の根本が変化したとする『八月革命説』に立脚して主張しています。

他方改憲派の主張は多数が『この憲法は連合国、とりわけ米国からの押し付けで国際法違反の憲法だ』と言う主張です。
いわゆる『押し付け憲法説』に立脚しています。

また他方『時代に合わない』と言う事で時代に合わせて改憲すべし!と主張する人々も存在します。

現憲法成立の法理としては、現在は3つの学説に収れんされると考えて良いでしょう。其れは以下の3つでしょう。

八月革命説
これは先に述べた様に、ポツダム宣言受諾により法学的な革命が起きたと考えるもので、天皇主権から国民主権に移行した、これは憲法改正の限界を超えるもので法学的革命がなければ成立しないとするものです。

憲法無効説
これは『帝国憲法から現憲法への改正は法理上不可能である』から現憲法は無効であるとするもので、押し付け憲法説もここに入れて問題ないでしょう。

改正憲法説
これは『大日本帝国憲法を改正し日本国憲法が有効に改正した』と考えるもので、法学的連続性を認めるもので、現政府見解の立場と言えるものでしょう。

では現在の憲法学会ではどれが主流かと言えば『八月革命説』が学者が用いる通説となっています。
これは日本国憲法成立に対する矛盾を説明する論理として圧倒的に支持されており、護憲派の主張もこれを土台にしています。

この八月革命説は國體変更の有無にも密接に関係する為に無視する訳にはいきません。
また憲法無効説も國體変更の有無に密接に関係してくるので、これもしっかりと考えなければなりません。

八月革命説は三段論法構造により主張されています。

1、憲法改正には限界がある
2、帝国憲法から日本国憲法への改正は憲法
 改正の限界を超えるものである
3、故にポツダム宣言受諾により法学的意味
 における革命が起きたと考える事により
 帝国憲法の改正手続きによる新憲法制定
 が違法ではない
この様な建て付けになっているのです。

1にある憲法改正の限界とは何でしょうか?

それは『主権』です。
大日本帝国憲法下では主権者は天皇であったが、新憲法に於いては主権者は国民である。
憲法には前提、根底としての『根本建前』と言うものが存在しています。
その一つが『主権』であり、その根本建前が帝国憲法では天皇、新憲法では国民に移った、それは改正手続きによって成されるものではない。
何故ならば、改正手続きそのものが根本建前によって効力を与えられているからと言う主張です。

つまり、帝国憲法の根本建前は天皇主権であるから、改正手続きもその根本建前に立脚している。
新憲法では根本建前が国民主権に変更された。
本来改正手続きでは根本建前の変更は不可能である。
何故ならば改正手続きも根本建前があって出来るものである。
つまり天皇主権と言う根本建前がある帝国憲法改正条項で根本建前を変更したならば論理的には帝国憲法が自ら死を選ぶ行為で法律上不可能である。
と言うものです。

しかしこの根本建前の変更をポツダム宣言受諾により法学的に革命が起きたので帝国憲法から日本国憲法への連続性を断絶した事により改正手続きと言う形で移行したと考えているのです。

この主張ではポツダム宣言は主権変更を迫っており、それを受諾する事により主権変更が改正手続きによって成立する事が出来た、これは革命だ!
と、まぁ平たく言えばこう言う主張です。

その八月革命説によれば、革命により全ての連続性は断絶したとするので皇統も断絶し、新憲法制定により昭和天皇を初代天皇とし今上陛下を第三代天皇であると主張しています。

果たして、ポツダム宣言により我々は革命を受け入れ國體を断絶したのでしょうか?

次回に続く




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