ポトマック自然観察日記

アメリカ東部の自然紹介をきかっけに、日本や世界の自然観察を共有。

コスタリカ ④モンテベルデ(12月27・28日)

2011年01月17日 | 日記
まずは、マヌエルアントニオからバスで内陸山間部モンテベルデに向かう途中、ドライブインの裏のちょっとした繁みで見かけたScarlet Macawの写真です。コスタリカで見たいと期待していた鳥の一種ですが、フィールドガイドによるとこの辺りには棲息していないようです。恐らくドライブインの経営者が餌付けした半野生かと思います。休息に立ち寄った観光客には大好評です。日本人としてはやはりこの手のカラフルでしかも大きなな鳥には驚かされます。



モンテベルデ(緑の山)は'Cloud Forest'でとっても生物の多様性が高いと。鳥だけでなく、植物、両生類、昆虫等々。以前から最も期待してエリアです。あまり事前にイメージの湧いていなかったマヌエルアントニオであれほど楽しめましたから、知名度の高いモンテベルデに期待値は上がりっぱなし。ところがガタボコの峠道を行くと、信じられないほどの強風が。そしてモンテベルデの町に入ると雲行きが怪しくなり、まるで「シャワーのようなシャワー」が横殴りに降り始めました。そして、何よりも意外だったのが、「寒いっ!」ことでした。結果としてその後モンテベルデを去る2日後まで、霧、シャワー、雨、の横殴りの連続。数分の晴れ間に虹がいくつも見られる、という気象条件でした。

翌日予めアレンジされていたCloud ForestでCanopy Zip Lineを楽しむツアーに参加します。森の「天井」に張り巡らされたワイヤーにカナビラを引っ掛け一気に滑り降りるものです。これは経験する価値あり。まあ、そこで味わったスリリングと楽しさは本題に離れるので省くとしまして(写真一枚添付)、その自然公園内で、四方八方から降りつける雨に打たれながらですが、色々と自然観察ができました。まずは、服を乾かし体を温めるため、蝶を飼育し見せている大きな温室に向かいます。今回は名前の確認まで至りませんでしたが、その多様性と美しさは「さすが」と感じさせるものでした。



温室での観察のお陰で服も少し乾きました。傘を差しつつCloud Forestなる所をウォッチング。まずもって驚きなのが、それぞれの木々に幹といい枝といいびっしりと寄生した植物の数。特にランの類いが多いよう。Cloud Forestの意味がようやく分かりました。まさに文字通り雲の中なのです。従い、森の中は縦横無尽に湿気が多く、しがみつく所あらばどこでも植物が生えるのでしょう。この森には本当に驚きました。自分のフィールドノートにその時の感想を見てみると、「いずれの木にもとてつもない数の他の植物が寄生している。それはただの木ではなく、一つの巨大な生命体のよう」とあります。何だか尊敬と言うか恐れにも近い気持ちになったのを思い出します。これは凄い。



雨のため鳥の観察には不適のようです。期待していたQuetzalにも出会えません。そんな中我々を楽しませてくれたのは、フィーダーに群がっている実に美しくそしてかわいらしいHummingbirdたちです。人間を恐れません。凄い速さで移動する際には我々にぶつかりそうにもなります。以前テレビで見た際に聞いた通り、仲間内でのえさ場の取り合いはかなり激しく、見かけとは違い気性は荒い印象を受けました。日本・アジアにいないせいもあるかもしれませんが、これだけのHummingbirdを見ると、実に異なる生態系の中に来たんだな、思えば遠くへ来たもんだ、と実感します。



最後にこの森で見かけた小鳥たち。左から、お腹の黄色と背中の深い青のコントラストそして赤い帽子が実に美しいTawny-capped Euphonia(後ろ姿)、眼鏡を掛けているようで愛くるしいSalty-backed Nightingale-Thrush、軒下で雨宿りをしていたYellowish Flycatcherです。全身びしょ濡れになったにも関わらず最も期待していたQuetzalを見られず、やり場の無い少し複雑な心境。森の豊かさ、植物の種と数の多さに圧倒もされ、この自然公園を去る時には表現しにくい複雑な気持ちでした。






コメント (2)
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