星の王子さまの眠る海
エルヴェ・ヴォドワ
フィリップ・カステラーノ
アレクシス・ローザンフェルド 著
香川由利子 訳
ソニー・マガジンズ 発行
2005年8月10日 初版第1刷発行
1944年7月31日コルシカ島からフランス南東部サヴォワ方面の写真偵察に飛び立ち、そのまま消息を絶った「星の王子さま」の著者、サン=テグジュペリ。
この本は1992年に行われたサン=テグジュペリ搭乗機の初の本格的な捜索作業から、1998年のブレスレット発見とその真贋をめぐる一連の騒ぎ、2000年の搭乗機発見、2003年の残額引き揚げ作業、そして翌2004年の最終確認まで記録しています。
美しい表紙と違って、内容は関係者の間のドロドロとした騒動が目立っています。
どうしても発見者や捜索者の視点になってしまうので、サンテックス(サン=テグジュペリの愛称)の遺族側はどうしても悪役になってしまいます。
でも少なくとも、ブレスレット発見者の漁師のおじさんは、偽造者扱いされてしまった時もあったので、本当に気の毒でした。
なお、原題はSaint-Ex La fin du mystère(サンテックス、謎の終わり)です。
プロローグ
1944年7月31日にマルセイユ沖で墜落した飛行機
第1章 「星の王子さま」帰投せず
7月31日、離陸前のサンテックスたち。そして行方不明になる。
第2章 さまざまな情報に踊らされて
サンテックスの運命に対するさまざまな説
1992年の捜索に反対するがしぶしぶ承認する遺族
第3章 奇跡を起こしたマルセイユの漁師
1998年のサン=テグジュペリの名前などが入ったブレスレットの発見
第4章 必死の機体捜索にもかかわらず
ブレスレット発見地域海底の捜索
サンテックスの機体はわからなかったが、その過程で古代ローマ時代の難破船(古代ローマのタイタニック号といわれた)を発見する。
第5章 ブレスレットは本物か偽物か
ブレスレット発見が日刊紙ラ・プロヴァンスの一面を飾るが、その時発見者はバカンスに出かけていた。
真贋論争で汚名をきせられる発見者たち。
サンテックスがブレスレットを所持していたかどうか証明するためニューヨークに飛ぶ筆者。
第6章 相続人から送りつけられた抗議文
ブレスレットの件や、飛行機捜索に抗議する相続人
第7章 最初の手がかりを追え!
ライトニングの機体であることを確認
第8章 全世界に流れた衝撃のニュース
マルセイユはスキューバダイビングの発祥地。ガニャンとクストーの開発したアクアラングの試作品が、第二次世界大戦中、ここでテストされた。
サン=テグジュペリの飛行機の残骸発見のニュースがニュースが全世界に流される。
第9章 確認された製造番号「2734L」
型番が、実際にサン=テグジュペリのが乗っていた飛行機と確認できた。
日本人ジャーナリストから著者に連絡があり。この件に探りを入れてくる。
「日本では、サン=テグジュペリは非常に人気があるんですよ」
フランスでもそうだ。
第10章 「墜落のシナリオ」を読み解く
サン=テグジュペリの死の真相は今でもわからない。
事故?、失神?、撃墜?、自殺?・・・
エピローグ
1944年夏、マルセイユ沖のリュー島に打ち上げられた飛行士の死体。彼はサン=テグジュペリだったのだろうか?
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