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桃太郎はなぜ成功したのか

2014年04月13日 | コンサルティング

「成功するプロジェクトマネジャーはコミュニケーションに何%の時間を費やしますか?」
「正解は80%」 ・・・以前、PMI(Project Management Institute)日本支部の会長が語った言葉です。

「プロジェクトマネジャーの仕事の8割はコミュニケーション。コミニュニケーションマネジメントの重要性を認識することはプロジェクト成功の必須条件ではあるが、認識しているだけでは駄目で実行をともなう必要がある。」とのことです。

もちろん、良好なコミュニケーションは、プロジェクトに限らず一般の組織にとっても大変重要ことです。

プロジェクトとは、様々なスキルを持つ人を集めて、限られた時間内に一定の成果を出す「臨時の組織」です。当然、コミュニケーションの重要性については、一般の組織以上であることは言うまでもありません。

ところで、桃太郎の「鬼退治プロジェクト」はなぜ成功したのでしょう。

プロジェクトマネジメントでいえば、桃太郎がプロジェクトマネジャー(PM)、犬・猿・キジがプロジェクトメンバー、おじいさん・おばあさんがプロジェクトスポンサー、村人が顧客といったところでしょうか。

「鬼退治プロジェクト」の要件定義は非常にシンプルです。

「鬼を退治してほしい」という顧客の切羽詰った要求です。

実際、私が関わったり見聞したりしたプロジェクトで成功したものは、ほぼ例外なく「顧客が(ある程度)切羽詰った状況」にありました。

逆に言えば、時間や予算などに「余裕」があると要件定義があいまいになり、プロジェクトの進行中にどんどん膨らんだり、あっちへ行ったりこっちに来たり・・・ということが起こりがちです。

専門書を何冊か読んで、要件定義をきちんとやるための手法は学んだのですが、やはり「(ある程度)切羽詰った状況」が最も効果的(?)でした。

そこで、はじめてプロジェクトマネジャー(PM)の立場になった方に、以下のような「桃太郎方式」のコミュニケーションをお勧めしたいと思います。

(1)顧客に余裕がありそうならば、顧客の置かれた状況を徹底的に調べ上げて、最も悲観的な予測値(すなわち、最悪の事態)をできるだけ具体的に提示します。

(2)そうした最悪の事態を避けるための唯一の方法は、「このプランしかありません!」と言い切ってしまいます。

(3)後は鬼が島へ旅立つがごとく後ろを振り向かず一直線にプロジェクトに取り組みます。プロジェクトメンバー(犬・猿・キジ?)同志のコミュニケーションはむしろ必要最小限の方が効率的です。

プロマネ(プロジェクトマネジャー)はプロジェクトのスタート時に80%の時間を使って「鬼が来きますよー」と顧客を脅す、いや、説得しましょう。そうすればプロジェクトの成功は約束されたようなものです!

最後に、プロマネの方々へ・・・本当にこの通りにやって失敗しても責任は持ちませんが、上手く行ったらお知らせください。一緒に本を書きましょう。

(人材育成社)