中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第849話 後輩指導は誰がすることなのか

2019年10月13日 | 研修

 

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「後輩を指導したりほめたり叱ったりするのは、私たちではなくて管理職がすることではないのですか?」

これは数日前に弊社が担当させていただいた、ある企業の主任を対象にした研修の際に受講者から受けた質問です。

この会社では、主任の役割の一つに「担当業務について、後輩に必要な指導や助言を行う」があります。

そのため、研修の冒頭で「後輩のやる気を高め、適切にほめたり叱ったりできるようになる」と狙いをお話ししていますが、受講者にはあまりしっくりきていなかったようです。

また、中堅社員を対象にした研修を担当する場合に、同じ主旨の質問を受けることが多いので、このように考えている人は少なくないようです。

それではなぜ、「後輩を指導することは、中堅社員の役割ではない」と考えてしまうのでしょうか。

理由は様々あると思いますが、一つには自分自身が先輩から指導を受けた経験が少ないため、指導は管理職が行うことであると考えてしまうこと。また、今回の例で言えば、主任に昇格した際に、求められる役割をきちんと確認する機会がなかったこと。

さらには、後輩を指導すること自体を大上段に捉えてしまい、権限がない自分には到底できる行為ではないと考えてしまっていることなどがあるようです。

人を指導したり、ほめたり、叱ったりすることはもちろん簡単なことではありません。

また、管理職になったからといって、すぐに身に付くものでもありません。

だからこそ、そのことを主任のときからきちんと意識して、少しずつ取り組むようにして、さらには意識的に後輩にも伝えていくことが大切なはずです。

仮に後輩に仕事を教えているとき、何か注意をしなければならないことがあった場合に、その場でそれを伝えることをせずに、後で管理職から指導をしてもらおうなどと考えていたら、それは大事なタイミングを逃してしまうことになるのです。

指導はオンタイムに「今、ここで」してこそ、効果があるのです。

現在、管理監督職になっている人であっても、部下を指導したりほめたり叱ったりすることが苦手だという人は少なくありません。

もし、管理監督という役職に就く前にしっかりと学んだり練習したりする機会があれば、その職になった際には、躊躇なく指導ができるようになっていたのかもしれません。

後輩や部下指導に限ったことではありませが、学ぶ機会、練習する機会があったときこそがまさにgood timingです。

ぜひ、研修をはじめとしてそうした機会に積極的に取り組み、十分に生かしていただきたいと思います。

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