「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
あなたはハイブリッド車という自動車があるのをご存知ですか?エンジンとモーターという異なる動力源を搭載する自動車です。エンジンだけの自動車よりも静かで燃費もすごく良いのです。
「はあ?なにを言っているんだ?」と思われたことでしょう。それもそのはず、ハイブリッド車が市販されて20年以上経っていますからね。
しかし、企業研修の世界ではいまだにこのような言い方が通用しています。ある研修会社のサイトには次のような一文が載っています。
「あなたは体験型研修という研修があるのをご存知ですか?講師の話をただ座って聞いているだけの座学研修と違って、受講者が自ら動いて自分の頭で考える研修です。面白いだけではなく、とても高い研修効果を得ることができます。」
体験型と言われる研修の歴史は古く、1950年代にはすでに研修の手法として確立しています。すでに60年を超す非常にオーソドックスな手法です。
ではなぜ研修会社は「わかりきったこと」をさも「新しいことのように」繰り返すのでしょうか。
1つは、研修会社が「企業の人材育成・研修担当者にそうした知識がない」と思っているからです。2つ目は、研修に対して興味がない、あるいはほとんど参加したことがない人に対する「解説」という意味があるからです。
前者の理由は研修担当者に対して大変失礼です。こんなことを面と向かって言う研修会社があったら採用しないに限ります。しかし、もし真実だとすれば研修担当者として失格です。
後者についても「いまさら」感は否めません。新聞やテレビで「最近は座学だけでなく、ゲーム研修のような体験型研修を取り入れる企業もあります。」などというニュースを聞いて、「へぇ・・そうなんだ。はじめて知った」という人は今やほとんどいないでしょう。
体験型研修、特にチームビルディング研修の効果については少し前に書いた通りですので、そちらをお読みください※。
「体験型研修は研修そのものを楽しめるうえに、実施がしやすいといったメリットがあります」・・・これはもちろん「研修会社にとって」の話ですので、お間違えのないように。