中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第850話 質問したり相談したりできない雰囲気を作っているのは誰なのか

2019年10月16日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「席替えがあったのですが、どうして私があの席になるのか、わかりません」

これは先日、弊社が担当させていただいた、ある製造業の研修終了後の懇親会で1人の受講者から聞いた言葉です。この度、社内で比較的大規模な異動が行われ、それにともない職場の席替えがあったそうですが、その席の配置がしっくりこないとのことです。

続けてその人は、「仕事の流れで考えても、私があの席になるのはどうしてなのか疑問です」とも言っていました。

「どうしてそのような席の配置になったのか、上司に質問をするのは難しいのでしょうか?」と私が聞いたところ、「聞きにくい雰囲気なのです」との返答がありました。

この話を聞いて思ったのは、「たかが席順、されど席順」ということです。「ただの席順ではないか」と言ってしまえばそれまでのことではありますが、それが先の例のように仕事の流れとは異なる配置であったりすると、「なぜ、自分がここになるのか」と疑問を持つのは当然のことです。

また、それを気軽な気持ちで質問することができれば、たとえ納得のいく返答が得られなかったとしても、「やるだけのことはやった」と思えるのでしょう。

しかし、上司に質問することすらも憚られる雰囲気があるとすると、すっきりしない気持ちになってしまうのは想像に難くありません。

これらの話を聞いていて思ったのは、このような席順の話自体はさほど大きな話ではないかもしれませんが、実は「これは組織の風土を端的に表している事柄なのではないか」ということです。

もしかすると、一事が万事、上司が決めたことには質問したり異を唱えたりしにくい雰囲気があり、今回の例は氷山の一角ということなのかもしれません。そして、一つ一つは小さな事柄かもしれませんが、それらが社員のモチベーションに少なからず影響しているのではないかということです。

ここでお伝えしたいのは、上司および管理職の皆さんが「何かあったら、いつでも相談して」と職場で声をかけていたとしても、部下の方からは具体的な相談や質問や提案が滅多にないということはありませんかということです。

もしそうであるとしたら、部下が上司に相談したり、質問したりすることを躊躇させてしまうような職場の雰囲気になってしまっている可能性があるのかもしれません。

また、以上の話から「今時、席順の話なんて古い。だったら、フリーアドレスにしてしまえばよいではないか!」と考えた人も要注意かもしれません。

フリーアドレスを導入している企業の社員からは「フリーアドレスと言ってはいますが、誰がどこの席に座るのかは、暗黙のルールがあって、思うように自分の座りたい席には座れませんよ」という話もよく聞きますので、話はそう単純ではなさそうです。

やはり大切なことは、固定の席であってもフリーアドレスであっても、「上司に質問したりモノが言いやすい職場の雰囲気であるかどうか」ということです。

経営者や管理職の皆さん、あなたの職場の雰囲気はいかがでしょうか。思い当たることがあるのであれば、早急に確認して改善をはかる必要があるのかもしれません。

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