中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第854話 人前で話すことは緊張する?

2019年10月30日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「緊張してしまい上手くしゃべれません」

研修の中でスピーチやプレゼンテーションの演習をしていただくと、階層を問わず必ずと言っていいほど、こうした声が受講者からあがってきます。

また、社員を前に定期的に話をする機会がある経営者であっても、「人前で話すのは苦手です」とおっしゃる方もいます。

そして、このように「緊張してしまう、人前で話すのが苦手」とおっしゃる人の多くは、続けて「何とか緊張しない方法はありませんか?」という質問をされます。

ここで、緊張について少々考えてみたいと思います。

そもそも、人前で話をする際に緊張してしまうのはまずいことなのでしょうか?

もちろん、本人にとっては人前で話すことによるプレッシャーで緊張してしまい、それがストレスになるということはよく分かります。一方で私は逆に緊張せずに話すことは必ずしも良いことではないとも考えているのです。

実際に、緊張してしまうという人に「人前で話す際に緊張してしまうと、どういうことに困ってしまうのですか?」と質問したことがあります。そうすると、だいたい「頭が真っ白になってしまうので、すらすら話せません」という答えが返ってくることが多いのです。

しかし、「すらすら話せる」ことが必ずしも良いこととは言えないのではないでしょうか。

以前、弊社が担当させていただいた営業研修でお会いした受講者の中に、コンスタントに営業成績を上げていらっしゃる人がいました。その人に演習でプレゼンテーションに取り組んでもらったところ、話し方そのものは朴訥で決して「すらすら」ではなかったのです。しかし、妙に好感が持てました。

この人の上司によると、顧客に商品説明をする際も決して流暢というわけではないそうです。しかし、最終的には商品と共にその営業パーソン自身にも好感が持つ人が多いようで、営業成績は継続的に良いとのことでした。

この話からは、大事なことはすらすらとよどみなく話すことにあるのではなく、たとえ緊張してスムーズではなかったとしても、熱意や誠実さが伝わるように話すことではないかということです。

また、研修講師をしている人の中には「私は人前で話すことが仕事ですから、何百人を前にしてもまったく緊張はしません」という人もいます。もちろんこれを否定するものではありませんが、私自身は経験を積んだからこそ、人前で話すことに慣れてしまうのではなく、良い意味での緊張感を持ち続けることを忘れずにいたいと考えています。

以上のことから、私はスピーチやプレゼンテーションをする際に緊張することは、決してマイナスなことではないと思っています。

しかしそうは言っても、あなたが人前で話す際の緊張感を少しでも軽減させたいと考えているのであれば、方法は2点あります。

まず、自分が納得できるまで十分に準備をすることです。原稿を準備し、繰り返し口に出して練習するのです。最終的には、与えられた時間内に原稿を見ないで話せるくらいになるまで練習をしてください。

次に、今後大勢の前で話す機会を自ら買って出てください。会議に出たり、研修に参加したりする際には、質問を表明したり感想を言う時間が設けられているはずです。そういう際には自ら積極的に質問する、感想を言うことを買って出ていただきたいと思います。

このようなことを続けていれば、やがては自信をもって人前で話す経験値を積むことができます。

いかがでしょうか、人前で話す際の緊張感、あなたは今後上手く付き合えそうですか?

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