「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
東京都の2021年10月の調査によるとテレワークの導入率は55.4%で、週3日以上実施している企業は48.7%とのことです。
新型コロナウイルスの感染拡大により一気に導入が進んだテレワークですが、早や3年目に入ろうとしています。テレワークは、もともと働き方改革の一つの手段として注目されてはいましたが、感染の拡大を受けて多くの組織が一斉に導入に動いたのは記憶に新しいところです。
テレワークの功罪については既に様々語られていますが、通勤時間の解消をはじめとしたメリットを感じている人や組織が多いようです。逆に、導入当初からテレワークのデメリットとして1番にあげられているのが、情報共有の難しさ、部下の育成などコミュニケーションに係るものであり、それは現在でも続いています。
多くの企業では、オンラインを通じて社員同士の接点を増やし上司と部下で面談したり、デジタルツールによる情報共有を図るなど、コミュニケーションの不足を補うように工夫をしていますが、問題の解消は簡単ではないようです。
その結果、問題が発生するとコミュニケーションや情報共有の不足を補うために、次から次へと立て続けに報告を求める例が少なくないだけでなく、それをルール化している組織も多いように聞いています。
先日弊社が担当させていただいた研修でも、多くの受講者からテレワーク時の報告の煩雑さについての話がありました。詳しく聞いてみると、「様々な場面で、一日のスケジュールから始まり終業に至るまでの業務ごとの報告が求められる。しかし、それらはルールに基づいており対応しなければならないものであるため、報告に始まり報告に追われているような1日になってしまっている」とのことでした。
このように報告事項が増えた理由としては、前述のようにコミュニケーションの増加、情報共有、部下の育成、仕事の生産性の向上などを考えてのことでしょうが、そうは言っても報告すること自体が目的になって業務の生産性が下がってしまっては元も子もありません。さらにこの受講者によると、報告をきちんと行ったとしても、上司からのフィードバックは残念ながらほとんどないのだそうです。もしかすると、それはあまりにも報告が増えてしまった結果、それを受ける上司自身もフィードバックをする余裕がなくなってしまっているのかもしれません。
テレワークが導入され3年目に突入した今、テレワークにあわせて導入した様々なルールについて、その結果何らかの問題などを生じさせていないか、生産性の向上の阻害要因になっていないか、一度見直しをするタイミングに来ているのかもしれません。徹底的に見直し、ルールの断捨離を行い、不要な報告などは止めるなどの検討をされることを、ぜひお勧めします。断捨離は不要な「モノ」を捨てることですが、ぜひこの機会に不要な「ルール」についても断捨離してみてはいかがでしょうか。