2023年10月26日木曜日、朝の通勤通学ラッシュより少し前に電車で中部国際空港へ向かった。
プライベートでも仕事でも海外へ出るのは久しぶりで、2017年のグアムが最後だったので実に6年ぶりだ。
6年は長かったような気もするし、あっという間だった気もするが、何よりその間に起こった身の回りの変化は大きい。
自分自身が以前とは変わったようにも思うが何一つ変わっていないのかもしれない。
不安や力みは無く、静かな気分で出発を迎えることが出来るのは自分が歳をとったからだろうか。
そんなことを考えながら空港へ向かった。
POHNPEI2023のスタートはとても静かに始まった。
今回、荷物は2個に収めた。今まではこれに長竿物のアンテナバッグが加わった3個だった。
アンテナをDX COMMANDER EXPEDITIONにしたことでスーツケースに入ってしまうコンパクトさがFB。
しかし逆に重いものが大きい方のスーツケースに集中したため、どう工夫しても30kgを切らない。
ビジネスクラスにすれば良いのだがエコノミーで行ったのでOverWeightの超過料が発生するが致し方なし。
結局大きい方が32kg、小さいほうが13kgとなった。やはり金物のアンテナが無いと総重量が軽い。
ちなみに一番の重量物はKPA500で11.8kg、二番目は同軸ケーブルで6.0kg、三番目がFT991AMの4.3kgだ。
南方への遠征は衣服類が少なくて良いのが嬉しい。
いつもは出張で右へ行くばかりだった中部国際空港のエントランスエスカレーター
今日は左へ行くぜ!と張り切ろうと思ったらUNITEDのチェックインカウンターは向かって右側だった、笑。
預け荷物の重量超過料を払って問題なくチェックインを済ませて身軽になり、少しだけ米ドルに両替した。
実際グアムでもポナペでもカードが使えることと、もう使う機会が減ったGSを50$くらい在庫処分で
持ってきたので、米ドルが無いと困るのはタクシー、小さな店で少額買う時、出国税を払う時、チップ渡す時
くらいだけなので大した額は必要ない。
手荷物にはリグと電源とPCを入れたので、当然ながら検査では別レーンへ進むよう促される。
どうせ出すだろうと梱包を簡単にしたので予想通りだ。「これはなんですか?」「無線の機械と電源です」
特に問題なく通過できるが、いちいち出してしまってを繰り返すのでめんどくさい。
今回の旅程では4回搭乗手続きをして4回手荷物検査を受けたわけだが、全てで「これはなんだ?」と問われて
荷物から出すことになった。「What's this?」「Radio and power supply」「CB radio?」「Yay」みたいなやり取り。
面白かったのは帰りの中部国際空港の税関で、「この"HEAVY"札の付いた荷物には何が入ってますか」と問われたので
「無線で使うアンプが入っています。トランスが凄く重いんです」と答えたら「ああ、アマチュア無線ですか」と
言われたので、ひょっとするとその女性検査官はその筋の方だったのかもしれない。
最初のフライトはグアムまでで、約3時間半くらいだ。平日のせいもあって座席は5割程度。
先が長いので機内では寝る。
途中軽食、チキンかナスのカツレツかの二択でチキンを選択。まあエコノミーならこんなもんでしょう。
相変わらずチョコチップが付くのは昔から変わっていなかった。
うとうとしてから目が覚めると既に降下に入っていた。
窓から外を眺めると左側にタモンの街。あぁ久しぶりに来たとちょっとだけ気持ちが昂る。
ESTAは申請してあるので入国は極めて簡単。税関のQRコードは事前にやってなかったが紙で提出して
問題なしで6年ぶりのグアム入国。
今回の遠征は行きも帰りもグアムで一泊を入れた余裕のスケジュールにした。かつては空港のロビーの
ベンチで朝まで寝たりしたのが懐かしい。もうそんな強行軍に耐えれる歳じゃない。
早速タクシーで今日のホテルへ。
グアムプラザリゾート。決して高級ホテルではなく古くなっていて、どちらか言えば安い部類のホテルだ。
ただしタモンの街のど真ん中にあるので立地条件は非常に良い。
翌朝が夜明け前にホテルを出発で、ここでは寝るだけなので取り敢えず何だって構わないのだ。
陽が残っている間に少しタモンの繁華街を歩いてみた。グアムは4回目だがこの辺りへ来るのは実は初めてだ。
コロナ禍の影響なのだろう、結構チラホラと店がクローズしている。平日とはいえ歩いている人も少ない。
日本人は少なく、大半が韓国人か東南アジア系で、意外と中国語をグアムで聞くことは少なかったように感じた。
総じて少し錆びれて元気の無い感じがするグアムの状況だった。
部屋で寝る前に一本だけビール。新しく最近出来たグアムブリュアリーの製品が売られていた。
日本では売られていないので早速試しに買って飲んでみた。
うーん、まずくはない。頑張ってIPAと言えるように作りましたって感じることは出来るが
まだまだだ。トロピカルIPAというコンセプトを狙っている様だが、北米西海岸勢のそれと比べると
大人と子供位の差がある。とは言え、POHNPEI2023開始の祝い酒だ、おいしくいただこう。
翌朝は5時に起きて空港へ向かい、チェックインして米国を出国。
行先の"Chuuk"を見て眠気が吹っ飛んだ。
搭乗を待つ間に朝食。グアム空港の出国後のフードコートは数年前から全く変わっていなかった。
BIG NAMAや天手古舞も健在だったが朝からビール飲むのも気が引けたので、大人しくバーガーキングで
朝ごはんのワッパーセット。なみなみのコーヒーですっかり目が覚めた。
ここからの便はアジア系の乗客は皆無。ほとんどがポリネシアンで西洋系がチラホラくらい。
クワジェリンにも停まるので米軍関係者には専用枠があるようで数名が乗っていた。
意外と座席は満席に近い。まさに島と島を結ぶ地元ローカル線なのだ。
約1.0時間のフライトで最初の経由地チュークに到着。
懐かしいなあ。少しだけ機から降りて空港の周りを見てみた。空港の建物は全く変わっていなかったが
テレコムのパラボラが新しくなっていたり、廃屋だった建物がL5ホテルとして改装されていたり
南側のハイタイドホテルが壊されていたり、空港の前の道路が舗装されていたり、と色々小さな変化はある。
それらは普段から日本に居てもYouTube等の情報から手に取るように判ってるのだが
実際に来てみると13年の時間で世の中は確実に変わっていくことを改めて知ることが出来た。
再び飛んで約1.5時間、窓からポナペ周辺の環礁が見えてきた。
ぐるっと旋回して東から着陸したのでソケースロックやコロニアの街が窓から見えて気分は最高潮に。
自分が運用する予定の場所を上空から確認すると、東向きには海しかない!北西向きにはソケースロックがあり
北は海だけ、南は島の中心の山々だ。そんなことを素早く考えていると無事着陸。
生まれて初めてPOHNPEIの土を踏んだ。
今回のPOHNPEI遠征は、いわゆるホテルは使っておらずポナペの日本人の皆さんのご厚意で
マンションの一室を使わせて貰った(詳しいことは”6. POHNPEI 2023 - POHNPEIの日本人”に書きます)。
現地でダイビングショップを営まれており今回使わせていただくマンション(どなたもがアパートと
言われているので以降アパートと称するが、日本人の名詞感覚だとこれはマンションだ)に住んでいる
ダイビングショップのCLUB PAREOさんに自動車で迎えに来ていただいた。
場所は島の北端、空港から近いKEPINLEH(ケッピンレ、もしくはカッピンレ)で、目の前10mが海岸だ。
アパートのオーナーは、歴代のV6から無線運用した日本人、例えばKC6IN西村さん、V63DX井川さんも
皆さんお世話になってきた方で、今回私もその末席でお世話になる事にさせてもらった。
アパートに着いたのは現地時刻で15:00頃。日没の17:08までにアンテナ構築を済ませたかったので
くつろぐこと無いまま、早速組み立てに入った。
<つづく>