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4. POHNPEI 2023 - リグ、アンテナ

2023年11月05日 00時00分42秒 | 海外運用

リグとリニアアンプは今までと同じ構成で、ヤエスのFT-991AMでエレクラフトのKPA500を25Wで押して

500W出力くらいで運用した。

FT-991AM用の安定化電源はMFJのMFJ-4125を使用。

MFJ-4125もKPA500も商用電源は100V/200Vの両方に対応しており、背面の切り替えスイッチで対応できる。

 

ところが意外なところに盲点があって、と言うか前回のChuukでも停電が頻繁だったので想像しておくべきだったのだが

商用電源の電圧が不安定かつ異様に高電圧になる事があり、リニアアンプの稼働に影響が出た。

KPA500はPA電圧の定格は60VDCで、HVボタンを押すとパネルLCDにPA電圧が示され、65~85Vであれば問題なく

それを越えると”60V HIGH"のFault No.8が表示されて、リニアはエラー停止状態となり動作を止める。

KPA500は電源の電圧を3段階で細かく調整可能で、95V~105V(GREEN TAP)、106V~115V(RED TAP)、116V~125V(YELLOW TAP)

の3レベルなのだが、この範囲を超えるとダメなようだった。

 

そんな現象が頻発する中、範囲外の電圧でもPA電圧が90V切っていれば何とかギリギリで動作できていたが

流石に90V超えるとNG。その時のコンセント電圧をテスターで見ると大体130Vを越えていた(写真の様な状態)。

これがどうも夜になると定常的にこの状態が頻繁に発生し、一回高い状態になると2、3時間は回復しなく、たまたま回復しても

またすぐに元に戻る、そんな状況が続いた。

日中は滅多に発生しなかったので、島全体もしくはこのアパートの負荷状況に依るものだったのかしれないが、本当の原因は判らないままだった。

問題が発生しない日中のコンセントの電圧を測ると概ね118~122Vくらいだった。

リグ用で使ったMFJ-4125はこの環境でも問題なく動作を続けることが出来た。

 

オペレートで並べた状態はこんな感じ。写真はFT8運用時で、FT8は全てベアフット50Wでの運用だった。

ちなみにシャックの風景はこんな感じ。巨大なTVがあったのでHDMIケーブルを持っていけばPC表示を大画面で見れたのだが

残念ながらHDMIケーブルは持参せず。立派なテーブルは広くて快適。またソファーはごろりと寝るには最高だった、笑。

なお、コンテストのロギングソフトウェアはzlog令和版を使い、datファイルを最新にして、spcは旧来自分で使ったものを入れ、終始全く問題なく作動した。

ついでにメモ代わりに残しておくと、コンセント形状はコレ。全く問題なし。

部屋はWiFi完備でスピードも申し分なし。皆さんTVをネットで観ているようで、TVアンテナはどこでも見かけなかった。

スマホのWiFiは繋ぎっぱなしだったが、会社のTeamsのメンションが飛んでくるのが鬱陶しかった、笑。

 

持っていったが一度も使うことなく終わった備品たち。

ハンドマイク(ヘッドセット不調時の予備)、同軸ケーブル延長用のメスメスコネクタ、ボイスメモリー用のFH-2

(結局今回は48Hを全て地声だけでやり、ボイスメモリーは全く使わなかった)、ハンドスイッチ(フットスイッチ不調時の予備)

最強アース渦巻香(事前にブヨなどの虫が酷いと聞いていたが実際は一匹も見なかった)、虫よけスプレー(蚊取り線香と同じ)

隙間用極細同軸ケーブル(同軸の引き込みは毎回遠征先で苦労するので念のため持っていったが杞憂に終わった)

 

今回使用したアンテナは、DX COMMANDER社のExpeditionモデル。結構頻繁に細かな改良が加えられているようで

自分が購入したのは2023年モデル。

選択した理由は、畳んだサイズが短く(68cm)金属部がほぼ無く軽い、この点に限る。あとは最近のペディションで使っているのを

良く見かけるのでミーハーだが一度使ってみたかった。

 

購入はM0MCX CallumさんにWEBで注文出すと、すぐに返事が来て発送などはLokiくんがやってくれた。対応は迅速だった。

製品はキットの状態で送付されてくる。取扱説明書は同梱されずネットで英文のファイルをダウンロードとなるが判り易い内容だった。

 

特別な動作のアンテナと言う訳ではなく、極普通の1/4グランドプレーンだ。もちろん自分でエレメントを切って作るので如何様にでも

作れると思う。今回はコンテストだけをターゲットとしたのでエレメントは40m,20m,15m,10m、これに加えて17m,12mで

15mは5/8λGPとして40mと同じエレメントとなる。

 

現地での測定結果ではなく事前に国内で計測したものとなるが、SWRはこのような感じで帯域は広く実用的には十分だ。

※10mが上に同調しているが、現地でエレメント足して下げた。

このアンテナが一番工夫したのは給電部の構造だろう。単純と言えば単純だが、上手に多素子を垂直に張るのを実現している。

2枚のアルミ板で構成され下がグラウンド、上がエレメントである。

グランドプレーンなのでグラウンド面を如何に作るか次第となるが、地面と容量結合するか、電界面を構成するかの何れかとなる。

今回の場合は3mのラジアル線を4本を一つにまとめたものを5セット用意して、均等な方向に地面に這わせて電界面を作った。

ただし写真の通り草の生えた土の上にダイレクトに這わせたので、大地との接地がどの程度であったかは判らない。

いずれにせよ、良好に動作したのでグランドプレーンとしてちゃんと機能していたと判断できる。

 

ラジアル線

 

アンテナ本体のロッドはグラスファイバー製で、17本から構成されている。伸ばした時の全長は約11m程度だ。

接続部は滑り落ちるのを防止するためにビニルテープで止めた上から、付属のホースクランプで締め付ける。

全長のうち3カ所にスプレッダーが付き、そこにそれぞれのエレメントがショックコードを使ってテンションをかけて

固定される方法が取られており、これは再現性高くアンテナを建てるために非常に有効だった。

日本にいる間に何度も調整がてら組み立てのシミュレーションをやったので慣れたのも大きいが、のんびりしても1h以内に全て完了できる。

ステーはこんな感じで張った。根元には25cmのペグを3カ所打って、ひっくり返るのを防止した。

期間中それほど強い風は吹かなかったのが幸いだったが、ある程度まではこれで大丈夫そうだ。

アンテナは海岸線から数メートルの場所に建てた。高い場所から見るとこんな感じ。写真正面辺りがJA方向だ。

 

同軸ケーブルは3.5D-QEFVで40mを1本と10mを1本持っていった。

考えてみれば、自分が2010年にChuukから出る際に用意したのがこの2本のケーブルで、他の機器類は新しいものに

変わっていったり破損して交換したりしてきたが、この2本はずーっとの長い付き合いだ。

いろんな国へ一緒に付き合ってくれたので、そろそろ交換してやってもいいのかもしれない。

道中の運搬でスーツケースに入るのは良いが、リニアアンプと一緒に入れるので仮にリニアの下敷きになったら

グラスロッドは確実に割れる。それを防止するために樋を使ってハードカバーを用意した。

番外編として、アパートの屋上はこんな感じで広々しており、かなり大型のアンテナでも上げることが出来る。

今回は垂直バーチカルなので地面に建てたが、もし再び来るときにはここの利用も選択肢に入れたい。

ちなみに、このアンテナで6mのFT8をやったが、SWR=2.0となりそれなりに使えた。

総じて言えば、使いやすく再現性の高いアンテナだと思う。なによりも軽量コンパクトなのが最大の魅力だ。

ハイバンドは流石に力不足を感じるが、ちょっと移動で持っていくには大変良いアンテナだと思う。

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