近畿旅客鉄道 佐倉線

明日の鉄道員を夢見る男の物語

同じ車両形式に隠された秘密。

2010年10月13日 | 5番線「気になる○○○…」
普段、何気なく乗っている車両も製造時期によっては大きな相違点があるものです。
今回は223系1000番台と2000番台の相違点を探ってみましょう。
(この記事内では原則として左写真が1000番台、右写真を2000番台としています。)

まずは車体の外観を見てみましょう。
  
大きな相違点としては以下の3つが挙げられます。

 ・テールライト(赤い部分)の配置
 ・側面のビート(補強の為にある筋)の有無
 ・屋上クーラーの大きさ


では早速、車内に入ってみましょう。

最も身近な存在である一般座席の様子です。
  
座席は両方とも転換し気クロスシートが採用されています。
しかしここにも以下のような相違点が存在します。

 ・窓側席の肘掛けの有無。
 ・座席の境界線の割れ目の有無

続いて補助席の様子です。
  

  
ぱっと見ただけでも分かるはずですが一応、相違点を掲載しておきます。

 ・案内表示の変更(電光掲示板式からプレート式に変更)
 ・背もたれの有無
 ・消火器の有無(座席下部に収納されている)

余談ですがラッシュ時にはこの座席は使用することが出来なくなります。
(座席内部にシートロックが装備されているからです。)

そして意外と気にしない設備であるトイレの様子です。
    

    
上は1000番台の様子です。従来の内装配置を引き継いだ為、あまり変わっていません。
そして下の写真は2000番台の様子です。明らかに上のものとは様子が異なります。
設備も車椅子での使用を前提としている為、かなり広めです。

また余談ですが両者共に申し訳程度の大きさの洗面台が設置されています。

最後に列車の安全運行を支える重要な存在である台車の様子です。
  

  
上が動力台車(動力を搭載している台車)で下が付随台車(動力を搭載していない台車)の様子です。
左が2000番台の台車の様子ですが1000番台よりも小型化が図られたことが分かります。

しかし1000番台と2000番台になぜ多くの相違点が存在したのか?その答えは簡単です。
1000番台は元々、並走する競合私鉄に対抗する為に製造された車両です。
この為、快適性を徹底的に追求した内装が施されています。

対して2000番台は全ての新快速を223系に統一する為に大量製造された車両です。
この為、製造コストを下げる為の工夫が所々に散りばめられています。
(しかしその工夫が快適性を若干、犠牲にする結果に結びつきました。)

皆さんも次に電車に乗る時にはその車両をよく観察してみてはいかがですか?
きっと無数の相違点が見つかるはずです。