随分前だが、NHKのど自慢に被災地の方々が臨む姿を特集した番組を見た。
震災後のNHKの活躍はすごい、と私は思う。報道に何ができるか懸命に考えた結果、やれるだけのことをやろう決めた、という意気込みを感じる番組が多い。政治報道などマスコミに対する嫌悪感が拡大する中、よく頑張っている、と思っている。
さて、のど自慢大会の話であるが、NHKのど自慢は普通の日々の中で取り上げても映画になってしまったくらい出演者の背後はドラマに溢れている。それがこの震災の後、被災地で開こうというのだからもうどれだけ大変か、見なくても想像がつく。
予選会が開かれ、多くの被災者がそれぞれの想像を絶する経験を背負って歌う。追いかけてくる津波から逃げて、走りに走ったが結局追いつかれて消えていった親友を追悼するため、震える手でマイクを握った極めつけの恥ずかしがり屋の男性がいた。鼓動が画面から聞こえてくるようだった。
そもそも早く父を失い母一人に育てられた母妹3人家族のお嬢さんは、友達と2人で元気よく絢香×コブクロ『WINDING ROAD』を歌った。津波で家を流され、家族は仮設住宅で暮らし、本人は看護学校で頑張っている。彼女は「流された家は、私が建て直す」と力強く言い切った。予選会は通過したが、本選会は看護実習日と重なって会場に来ることが出来なかった。「曲がりくねった道の先に待っている幾つもの光、まだ遠くて見えなくても一歩ずつ、ただそれだけを信じて行こう」と力強く歌った彼女の姿が本選会に無かったことは残念だったが、それが彼女の未来に続く一歩なんだな、と妙に現実味を感じたものだ。
このNHKのど自慢大会は岩手県久慈市で行われた。この企画をこの名前を持つ土地で開こうとする気持ちが、また心に沁みる。「久慈」とはおそらく仏教用語なのであろうが、いつまでもいつまでも慈(いつく)しむ心、皆が今忘れてはならないと思っている優しい気持ち、町の名前がまさにそのものであるその土地で開催したことはこの上もなく素晴らしい企てだった。
慈しむ、という言葉を今はほとんど使わない。だが慈しむ、とは何と素晴らしい言葉だろうと、このドキュメンタリーを見てしみじみと感じた。忘れてはいけない言葉だ。仁や義、忠などが声高に語られて来たここ何年かであったように思う。ところが、大変な被災の状況を見て、今思い返せば、多くの方々が示した勇気や忍耐の向こうに見えていたのは、静かに強く心に響くこの「慈」であったと思われるのである。(三)
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横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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そもそも早く父を失い母一人に育てられた母妹3人家族のお嬢さんは、友達と2人で元気よく絢香×コブクロ『WINDING ROAD』を歌った。津波で家を流され、家族は仮設住宅で暮らし、本人は看護学校で頑張っている。彼女は「流された家は、私が建て直す」と力強く言い切った。予選会は通過したが、本選会は看護実習日と重なって会場に来ることが出来なかった。「曲がりくねった道の先に待っている幾つもの光、まだ遠くて見えなくても一歩ずつ、ただそれだけを信じて行こう」と力強く歌った彼女の姿が本選会に無かったことは残念だったが、それが彼女の未来に続く一歩なんだな、と妙に現実味を感じたものだ。
このNHKのど自慢大会は岩手県久慈市で行われた。この企画をこの名前を持つ土地で開こうとする気持ちが、また心に沁みる。「久慈」とはおそらく仏教用語なのであろうが、いつまでもいつまでも慈(いつく)しむ心、皆が今忘れてはならないと思っている優しい気持ち、町の名前がまさにそのものであるその土地で開催したことはこの上もなく素晴らしい企てだった。
慈しむ、という言葉を今はほとんど使わない。だが慈しむ、とは何と素晴らしい言葉だろうと、このドキュメンタリーを見てしみじみと感じた。忘れてはいけない言葉だ。仁や義、忠などが声高に語られて来たここ何年かであったように思う。ところが、大変な被災の状況を見て、今思い返せば、多くの方々が示した勇気や忍耐の向こうに見えていたのは、静かに強く心に響くこの「慈」であったと思われるのである。(三)
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