goo

妄想

 昨日土曜のお昼に、自販機でウーロン茶を買った。そのとき驚いた、「今週月曜から土曜まで、自分でお金を使ったのはこれが初めてだ!」なんと、1週間で150円しか使わなかった。勿論、食費とか、ガソリン代とか、光熱費とか、生きてる以上は知らないうちに使っているお金はたくさんあるのだろうけど、そういう目に見えないお金を除けば、自分のポケットから出て行ったお金は、本当に150円だけだった。
 「素晴らしい!」・・わけの分からぬうちにお金がなくなっている生活を送っている普段の生活から考えれば、奇跡的なことのように思われる。これで自分を褒めなくていつ褒めるときがあるというのだろう。「すごいぞ、お前もなかなかやるな」と自分を褒める言葉にも納得がいく。いい年こいたおっさんが一週間で150円しか使わない、TVのバラエティー番組に出られそうな生活だ。
 しかし、それは何も節約を意図してこうなったのではない。夏休み中は、朝の9時前から夜の12時前まで、塾の教室で授業をするか、送迎のバスを運転しているかのどちらかで、それ以外は何もできないのだから、お金を使いたくても使う時間がない。バスに載っている時に外の空気は吸うので、気分転換はそれなりにできるのだが、お金を使って何かを買おうなどという気はまったく起こらない。普段なら、朝起きて喫茶店に行き、その後午前中はふらふらしているものだから、ついついお金を使ってしまう。しかし、今はまったくそんなことはできない。この生活を続けられたら、きっとお金が貯まることだろう。毎日の額は大したことはないかもしれないが、ちりも積もれば何とやら、ひょっとしたら大金を貯めることができるかもしれない。そうしたら、どうしよう。なんに使おうか。などと、捕らぬ狸の皮算用で妄想は膨らむ。
 
 去年、松井のプレーをすべて見るために公式戦162試合とポストシーズン合わせて170試合以上、全部ヤンキースに帯同したら一体いくらかかるだろうと考えてみたことがある。ホテル代・チケット代・交通費・食費など、半年分にかかるもろもろの費用を合計して果たしていくらかかるだろう、と試算してみた。平均して1日5万円かかるとしたなら、約200日で1000万円、やっぱりそれくらいはかかるだろうなと計算してため息をついたのを覚えている。さらに日本に残してきた家族の、その間の生活費も要るだろうし、どんどん数字は膨らんできて、あまりに非現実的なものとなって考えるのをやめてしまった。
 しかし、妄想なんてものは、荒唐無稽であればあるほど、胸が高鳴るものであろうから、もっとすごいものは何かないだろうかと考えてみた。想像力の貧困な私が考えることだから、大したものは思いつかなかったが、それでも一つ素晴らしいものを思いついた。それは、世界一周クルーズだ。1ヶ月ほど前に、新聞広告に案内が載っていた。そのときは、こんなものを利用するお大尽になってみたいものだとしか思わなかったが、思い出して早速検索してみた。 世界一周クルーズ

101日間で、アジア・中近東・黒海・地中海・西ヨーロッパ・北米・カリブ海・アラスカの各地を周遊する旅である。料金は、一番安い「Kステート」が早期申込で1人320万円、一番高い「Sロイヤルステート」が1600万円となっている。8段階に分かれていて、予算に合わせてということなんだろうが、どうせなら一番高い部屋で行こうではないか。 飛鳥Ⅱ

しかし、もう止めよう、なんだか虚しくなってきた。あまりに豪華すぎて現実感がなさ過ぎる。でも、しかし、世の中にはぽんと大金出して、こういう豪華な船旅を楽しめる人もいるんだから、すごいものだ。うらやましいとは思いたくないけど、やっぱり憧れてしまう。
コメント ( 14 ) | Trackback ( 0 )