じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

教育3法案成立へ

2007-05-18 11:42:25 | 教育
★ かつては「不磨の大典」と言われた教育基本法が改正され、足早に教育改革が進められようとしている。そして教育3法案がまもなく成立する。

★ 学校教育法では「愛国心」が目標として明記され、教員に新たな職階制ができる。今回の職階制は教員の専門性を重視したスタッフ型の職能開発をめざすものではなく、上意下達のライン型の組織を構築しようとするものだ。

★ 狙いは教育の中央統制を強めるとともに、教職員組合の解体を意図したものだ。

★ 教員免許法も同じ流れをくんでいる。確かに不適格教員を排除するのは必要だが、10年ごとの免許の更新制がそのために機能するかは疑問だ。まして不適格教員は10年も猶予を与えず、即刻研修を施し、それでも教員としての資質・力量が改善されないならば時間を置かずに配置転換、退職勧奨、解雇して欲しいものだ。免許制度の改正も「お上」に歯向かう教員を排除するための方策だろう。

★ 地教行法もまた文部科学省の方針に従わない教育委員会に対して国が強権を発動する、いわば「伝家の宝刀」を認めるものだ。地方分権が推進される中、教育も地方に委ねるといった流れにあったが、これは数年で途絶えることとなる。

★ こうして見ていくと、教育界においては明治維新か、ソ連の解体にも似た大変革が推進されようとしている。

★ 美辞麗句を排して考えれば、教育の中央集権化と教員の国家管理、長年の宿敵であった教員組合を徹底的に解体しようとするものだ。まさに安倍流に言えば「戦後レジューム」からの脱却なのだろう。

★ ただ肝心なのは、教育の中身である。政治家が形の美しさの酔いしれるために教育改革があってはならない。国家百年の大計を見据えた教育改革が求められる。果たして今般の教育改革にはっきりとした国家観、教育観があるのだろうか。目先の不良教員の排除や競争をさせれば自然調和的に教育が改善されるなどといった楽観論に陥ってはいないか。

★ 「巧遅は拙速に如かず」というが、いかがなものか。そして一連の流れを考える時、文部大臣への自殺予告や高校の単位未履修問題など、あまりのタイミングのよさに意図的なものを感じるのは考えすぎだろうか。
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