じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

山本周五郎「紅梅月毛」

2022-08-18 02:07:18 | Weblog

★ ありがたいことに、帰省や旅行をしていた塾生からお土産を頂く。淡路島へ旅行した塾生からは、「たこせんべいの里」を、新潟に帰省していた塾生からは地酒を頂いた。

★ さて、今日は山本周五郎さんの「おごそかな渇き」(新潮文庫)から「紅梅月毛」を読んだ。

★ 江戸時代、家康は秀忠への代替わりを祝賀して、伏見で馬比べを催した。譜代の各藩から、これぞという名馬と旗手が選ばれ、大御所の前でその腕前が披露される。

★ 伊勢の桑名城、本多忠勝の家中からは、深谷半之丞という人物が選ばれた。実に無口な男であったが、数々の戦場で武勲をあげていた。

★ ところが、半之丞の愛馬は体調を崩し、祝宴に出られない。そのことを知った藩内の名士たちは名誉の一翼に預かりたいと自ら所有する馬を提供しようとする。中でも老臣から提供された「牡丹」という馬は群を抜いていた。

★ 半之丞は牡丹で祝宴に出ることにしたが、ある朝、農夫が引く駄馬に出会う。年老いて、姿もみじめなほどであったが、半之丞はなぜかその馬を譲ってもらい、その馬で祝宴に参加する。

★ 馬比べでは3位であったが、駄馬で3位となった半之丞はその腕前をほめられる。実はその駄馬、かつて半之丞と戦火を潜り抜け、関ケ原の合戦の折、行方知らずになった「紅梅月毛」だったということが明かされる。

★ 「戦火の馬」と言う映画があったが、人間と馬にも友情に似た感情があるようだ。昭和19年発表の作品だった。

 

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