じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

伊与原新「藍を継ぐ海」

2025-02-07 16:47:10 | Weblog

★ かつて小学校4年生の教科書(東京書籍)に清水達也さんの「ウミガメのはまを守る」という作品が採用されていた。静岡県御前崎の砂浜に産卵するアカウミガメの様子が描かれていた。

★ その情景をイメージしながら、今日は伊与原新さんの「藍を継ぐ海」(新潮社)から表題作を読んだ。

★ 本作の舞台は徳島県の小さな漁村。堤防が築かれたためか、かつて産卵に多くのウミガメがやってきたが、今では年に数匹。産卵となれば数年に1度になった。

★ この年、ウミガメはやって来て、産卵した。大人たちはそれぞれの思惑(例えば町おこしのため)で、産卵場を保護している。ある夜、近くに住む中学生が卵を掘り返し持ち帰った。自らの手でふ化させようとしているようだ。

★ 物語は、この少女を中心に、ウミガメ監視員をしている70代の女性、カナダからAETとして日本を訪れている男性などが絡み合って進んでいく。

★ ウミガメの姿は少女の心境を投影しているようだ。

★ 海原の底流を流れるという黒潮の藍色が印象的だった。海流って本当にあるんだね。

☆ さて、京都では10日からの私立高校入試に向けて、各校の出願状況が発表された。同時に17日からの公立高校前期入試の出願状況も発表された。昨今の特徴は、少子化の中で高校に進学すること自体は非常に「広き門」になっている。一方で、人気のある学校とそうでない学校の格差が広がってきている。

☆ 国会では、高校授業料無償化に向けて(とりわけ私学も含んだ無償化)政党間の駆け引きが盛んだが、無償化が実現したとして、どんな未来が待っているのか。

☆ いろいろな意味で設備・学習環境が整っている私学(私学にとって生徒の獲得は経営の死活問題なので経営努力に暇がない)が更に人気を得、公立は統廃合されるのか。1980年代の新自由主義の流れで、一種のバウチャー制度となるのか。

☆ ゼニカネ問題ばかりが先走るが、果たして高校(後期中等教育)の役割は何か。更には公教育の果たすべき役割は何かまで再考すべき時期に来ているのかも知れない。

 

コメント    この記事についてブログを書く
« あさのあつこ「街の風景」 | トップ |   

コメントを投稿