若いカップルが山門石段下で喧嘩になり「この上の住職に意見を聞こう」と寺へ。拙僧の前で散々喧嘩して少しは気が晴れたのか、落ち着いた口調で彼女さんが「住職さん。この人のご両親は大変な人格者でね。そんな両親に育てられて何故、こんな人間になるのか。持って生まれた人間性は育て方では如何ともし難い」と。
【追伸】
拙僧、彼女さんに「この彼の人間性って、どうなの」と。「非常に冷たい。人にあまり興味がない。ご両親のいいところを殆ど継承してない。そんなご両親に育てられても、これですよ。生まれ持っての人間性は、育て方で何とかなるもんじゃないと、この人を見てたら、ほんと、そう思います」と。拙僧、下を向いたまま顔を上げられない彼氏さんに「おい、君。散々言われとるで。反論はないのかい。君の行動でご両親の株まで下がっとるぞ」「いや、あんな両親に育てられたから、これぐらいで済んでるんじゃないか、と」「彼女さんよ。彼氏さん、どうも、自覚あるみたいだよ。で、じゃ、何で君は、こんな彼氏と付き合ってんの」と。「他人には冷たい、興味がないが、身近な人達には優しいから」と。「じゃ、優しいんじゃん。短所を押さえ付けたら、長所まで萎むよ。万能なんて人間、いないんだから」「そう言われてみれば、そうですけど。あまりに酷くて」「まあまあ、結婚したら、まあ、そうなったらの話だが。また、上っておいで。家庭円満を保つヒントをあげるから」と。因みに、内閣府の公表によると、配偶者、恋人がいない20代は、男性が65、8% 女性が51、4% と。若者の恋愛離れが問題に、との事だが、30年前は、50年前は、どうだったのかな。因みに、ある番組で「彼女はいなくてもいい」という男性陣にその訳を尋ねたら「特定の女性との付き合いは、雁字搦め、強要、束縛、が辛い。その点、アイドルは、こちらから思いを向けるだけで、向こうからの締め付けがないから、気が楽」と。ほう、そうか、そうなんだ、と拙僧、その回答を聞いて。