1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2393話目】檀家婆様が「経験なき知識のひけらかし。建設的意見なき文句、講釈。悪いが、雑音でしかない。経験積んで出直して来い」と。

2022-06-02 17:45:11 | 法話
知識が全ての様に論ずく若者が、社会に出て悉く意に沿わぬ方向に向かい、精神を病んで拙僧のところへ。対し拙僧「知識は人生を歩く為には、絶対に必要な羅針盤。だが、それに経験が加わらんと、何が待ち構えているか予想も出来ん人生を、歩く為の本当の知恵は授からん。自分以外の人は全員、自分とは違う思考」と。

【追伸】
この読者若者に「知識、知恵、経験が豊富な海の男でさえ、大海原を航海する際、遭難して命を落とす事もある。例えば、知人の刑事さんが『現場100回なる言葉がある。数回行けばもう、現場に証拠品など落ちてない。100回行くは、証拠品探索じゃない。犯罪者の心理を読み取るため。人間は日によって、心理状態も、体調も、違ってくる。今日、現場に行ってみたら、こう感じた、10日後に現場に行ってみたら、今度はこう感じた、と犯罪者の心情を読み取ってるんだ。マニュアルには、そういう事は記されているだろうが、実際に足を運ばないとそれを感じ取る事は出来ん。刑事の直感は大事と言われる所以はそれ。だが、それで全てが紐解ける訳ではない。全てが紐解けるのであれば、迷宮入りする事件などない。なるべく、解決に近づける為の手立ての1つとして、現場に足を運ぶんだ』と言ってたよ。人は人の中でしか生きていけない。自分と全く同じ考えの人間などいない。折り合う心も身に付けなきゃ」と。