神エホバのご意志の神聖な奥義を理解すると、神エホバの計り知れない知恵の深さとその愛ある親切は、「愛は親切で辛抱強い」ことを実証されていることが分ります（ローマ１１：３３．コリント第一１３：４）。今日は前回に引き続き、神エホバのご意志の神聖な奥義：イスラエルとの契約についてお伝え致します。
西暦前１５１３年、神エホバは、神聖な奥義に関するいっそうの啓示の舞台となる取決めを設けられました。アブラハムの子孫であるイスラエル国民と契約を締結されたのです。このモーセの律法契約は、現在は効力を持っていませんが、当時は神エホバの約束の胤を生み出すという、神エホバの目的の肝要な部分でした。どのようにでしょうか。三つの分野を考えてみましょう。
第一に、モーセの律法は保護のための壁のような働きをしました（エフェソス２：１４）。そこに収められた神エホバの義の法令は、ユダヤ人と異邦人との間の障壁のような働きをしました。そうして、その律法は、約束の胤の系脈を守る役目を果たしました。律法の保護によってイスラエル国民は、ユダ族にメシアが生まれる、神エホバの定めの時が到来した時にも存続していました。
第二に、その律法は、人類が贖いを必要としていることを徹底的に実証しました。完全な律法として、それは、罪深い人間が律法を守り通せないことを明らかにしました。そのようにして、「約束のなされた胤が到来する時まで」「違犯を明らかにする」働きをしました（ガラテア３：１９）。律法のもとでは、動物の犠牲を用いて暫定的な贖罪が行われました。しかし、後にパウロが記している通り、「雄牛ややぎの血は（人間がアダムから受け継いだ）罪を取り去ることができない」ので、そうした動物の犠牲は、イエス・キリストの贖いの犠牲を予表するものでしかありませんでした（ヘブライ１０：１～４）。こうして、この契約は、忠実なユダヤ人にとって「キリストに導く養育係」としての役目を果たしました（ガラテア３：２４）。
第三に、このイスラエル国民との契約は、イスラエル国民に輝かしい見込みを差し伸べました。神エホバはイスラエル国民に、あなた方は契約に忠実であるなら「祭司の王国、聖なる国民」となるであろう、と言われていました（出エジプト記１９：５，６）。当時のイスラエル国民が最終的に、天の祭司の王国（神の王国政府）の初期の成員を生み出したのは事実です。しかし、イスラエル国民は、全体としては律法契約に背き、メシアなる胤・イエスを退け、この見込みを失ってしまいました。では、だれが祭司の王国（神の王国政府）の人数を満たすのでしょうか。そして、その祝福された民は、約束の胤とどんな関係があるのでしょうか。神聖な奥義のこうした面は、神エホバの定めの時に明らかにされることになっていました。神エホバのご意志の神聖な奥義は漸進的に明らかにされてゆきます。次回はそのことのダビデの王国契約についてお伝え致します。引き続きお読み下されば幸いです。
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