快風丸

俺の船に乗らないか。

外人のはどうなってんの

2009-01-11 16:47:22 | Weblog
 裸の男が立っていた。

 銭湯へ行ってきた。
露天風呂へ出てみたら外人さんが裸で日向ぼっこしてた。
ブロンドのベリーショートで、瞳はブルー。身長は188cm、体脂肪率は23%ちょいメタ、35から38歳。

 俺は傍らをすり抜け、湯船につかった。そしてふと気になった。
「どうなってるんだろう」

 トムは、立ち尽くしたまま、タオルで隠している。じろじろ見るわけにも行かない。じっとチャンスを待つ。

 しかし、トムは、俺に背を向け、内風呂へと向かった。それと気づかれぬよう、さりげなく湯から上がり、あとを追った。
しくじった。見逃してしまった。タッチの差で上がったのだろう。あきらめるしかなかった。
 
 俺はサウナでうなだれながら想像してみた。悔しい。千載一遇のチャンスを逃したのだ。
失意のまま、あぶくの風呂でぶくぶくとてっちりのトラフグになりかけたそのとき、

「トムだっ」。

 洗い場で体を洗っていたのだろう。こっちへ歩いてくるぞ。動揺をさとられてはならない。
タオルで隠してはいるが、あぶくの浴槽へとまっすぐ向かってくるぞ。外人とはいえ、マナーをわきまえているだろう。
すなわち、湯船につかるその時、タオルをどうすべきなのか。頼むぞトム。

 俺は息をのんだ。そしてその時は訪れた。

「おおーーーっ」