快風丸

俺の船に乗らないか。

トラウト・マスク・レプリカ

2012-02-23 00:35:51 | Weblog

 キャプテン・ビーフハート、なんとなく名前の語感から、いわゆるアメリカンロック、

そう、ブルーススプリングスティーンとか、ヒューイルイスとか、ケニーロギンスみたいな

ものと思っていた。まったくデタラメなカン違い。

 これを聞いてみようと思ったのは、数年前、子供を歯医者につれて行った待合室で、

GQジャパンだっとと思うが、雑誌の特集で、「親子で聞きたい音楽」だった。

やっぱりアメリカンロックをイメージした。

なので、このマヌケなジャケットも、そのユルさを想像させることを助長した。

 「型にはまらない」って、音楽のみならず、芸術全般でよく使われる表現ではあるが、

これは、「はめる型すらない」。

 楽器は、奏でるものではなく、鳴らすモノなのだ。歌っているのではなく吠えているのだ。

優しい、癒される音楽ではない。激しく、乱暴な音。では、なぜ「親子で聞きたい」のか。

それは、創造性だと理解した。過去や既成を無いものとし、この時点から、できることをやる。

最初は、バラバラでめちゃくちゃな演奏に聞こえる。しかし、それぞれの音は、ぶつかり合い

ながら、調和し、響きあう。調和とは、なれあいではなく、本来、こういうものだ。美しい。

岡本太郎の言う、「キレイなものはダメなんだ。美しいとキレイは違うんだ。」 その音がする。

 何度でも、聞くたびに新しい。得難い音楽である。