タイツをはくようになった。
ひまわり保育園さくら組のころ以来だ。
子供のころ、母は好んでお坊ちゃま服を着せようとした。
第一次産業従事者のご子息が多い土地柄ではどうにもこうにも浮いてしまう。
ツバのあるハットよりも野球帽、コートじゃなくてジャンバーが着たかった。
タイツはそれらの大いなる象徴であり、並み居る野生児の中で異彩を放っていること、
子供は敏感である。
パンツの下に何かをはくなんぞというのは、パンツを作っておられる職人さんに対しての
冒涜ではなかろうかとも考えていた。
ビジネス用のスラックス、冬用は、キチンと裏地が貼ってある。
そんなものはくのは軟弱者だと中途半端な九州男児スピリットが小さな声で叫んでいた。
あれから幾星霜、このたび、ユニクロのヒートテックタイツのお世話になることにした。
テニス中に軽い肉離れを起こし、整骨院で治療を受けた時に、「冷やさないように」と
注意された。
もっとも効果的で安価な方法がおそらくタイツだ。
吸湿速乾、肌触り、そして、静電気防止まで機能しているという。
¥990。
自転車で風を切るとその通気性の高さが実感できた。
テニスの時にもはいてみた。
暖かいうえにムレないというのは、まったくもって素晴らしいと言わざるを得ない。
さようなら、野生児のわたし。