うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

Heliopause(前編)

2021年09月05日 16時52分58秒 | ノベルズ
「いくら吹き飛ばされても、僕らはまた、花を植えるよ…きっと。」
荒れ果てた花壇と小さな慰霊碑の前で、誓い合った小さな約束。
「…それが俺たちの戦い―――だな。」
むせび泣くシンを励ますように、キラさんとアスランさんがそっと声をかけ、キラさんが手を差し出した。
「一緒に…戦おう。」
憎んで、恨んで、あんなに激しい戦いをしたのに、まどうことなくシンはその手を取って握り返していた。
「―――はい!」
きっと、シンは本当はずっとこうしたかったんだろうな。
本人から直接話たことはなかったけれど、お姉ちゃん伝手に聞いたことがあった。
ひとつ前の大戦の時、オーブでシンは家族を失って…そして今度は自分の手でオーブを焼いてしまった。
故郷への憎しみと愛着が綯交ぜになった感情を、キラさんが救ってくれたんだ。
(よかった…)
これできっとシンはもう大丈夫だって思う。なんてったって、お姉ちゃんが付いているし。
最初はあんなに「アスランさん」ばっかりだったお姉ちゃんが、いつの間にシンと、その…多分恋人…だよね…そうなったのか知らなかったけど、多分、私がアスランさんとZAFTを離れたときに色々あったんだろうな。
お姉ちゃんは私が死んだと思って。シンは…あの連合のパイロットの子を失って。
戦争は色んな人の大事なものを奪っていった。人生を狂わされたり、感情を押し流した。その中にあって、シンとお姉ちゃんがいい感じになったのは、救いだと思う。

ネオジェネシスが陥落し、ようやく戦争が終わって。
私の運命だってすごく変わった。多分あのままミネルバで終戦を迎えていたなら、プラントに何の問題もなく戻れていたはず。それがまさか、今はこうして縁もゆかりもなかったオーブの慰霊碑の前で、あの憧れのアスランさんと並んで立っているんだもの。
この先どうなるのか分からないけれど、私はオーブに助けられたので、一応今後の身の置き場が決まるまでオーブでの生活を許された。
保証してくれたのは、アスハ代表自らだった。
(「―――アイツのこと、頼むな。」)
私のアスランさんに向ける感情を、あの方は読み取ったのだろうか。
最初にミネルバに乗り込んできたときの彼女は、一国の代表ではあるものの、どこか…こう言っちゃ失礼だと思うけど、なんていうか…向こうっ気の強い普通の女の子みたいな感じだった。
でも、アスランさんと一緒にAAに救助されて、その後、私も心身が回復するまでずっと見守ってくれてた。その時の代表は、もう、あの感情むき出しの女の子なんかじゃなかった。
お母さん―――って言ったらやっぱり失礼よね。お姉さん、というと私には本物のお姉ちゃんがいるから、やっぱり例え難いんだけど。そう…温かい人だって思った。
ラクス様も真綿に包んでくれるようなふんわりとした優しさの中に、強くしなやかな部分があるけど、アスハ代表はその逆―――強くて硬い意志の中にあっても、溢れる優しさを内に持っている感じ。


―――続きはこちらから。


***


一週間ぶりにSSです。今回は久々本編沿い、「メイリン視点の運命その後」を書いてみました。
先月UPしました、本宅SS 「運命カガリに20のお題」 の「20.DESTINY」の第2話終盤の空白部分を補完した感じです。併せて読んで頂くと深まるかも♥
最近Twitterさんの方で、かつての監督や両澤さんのインタビュー記事を色々紹介してくださるフォロワーさん方がいらっしゃって、その中で「アスランが戦後オーブにいるのは、成り行き上仕方がなく」とか「アスラン自身の希望ではなかった」「二人が再び恋人になれるとしたら、アスランがカガリと対等になれるくらいでないと」云々…そう言えば、アスカガ―さん方に物議を醸しだしてくれた記事がありましたね、というのがUPされていて。
「だったらその『成り行き』をひっくり返して「必然」にしてみようじゃないか!Σ( ̄口 ̄;)」と意地になって書いただけの代物です^^;
ちょっと長くなってしまったので、前編後編になってしまいますが、よろしければ、ちょこっと眺めていただいて、物議をまた醸して(笑)やってください♥

本当は全部書き上げたかったんですが、昨日は何だか体調が思わしくなく、家事やった以外は横になっているだけのかもしたでした。
今日はパラリンピックのマラソンと車いすバスケ男子の決勝があったので、これは必死に観戦!
道下さんの金メダルと、バスケの銀、本当におめでとうございます!!✨\(≧▽≦)/
いや~白熱しました!
バスケはいつも大体下の方で(哀)決勝トーナメントにすら入ってこないことが殆どだったので、今回は全試合応援(ほぼ20:45からの試合だったので、仕事帰ってから見られた!自国開催万歳!)してましたが、本当にすごかったです。
本日の決勝は最強アメリカとの対戦でしたけど、たった4点差。しかも追いつき追い越されのハラハラな展開で、見ていてすごく面白かったです。
このパラリンピックを見て、将来自分も!って思える人達が沢山出てくれるといいですね。年齢なんて関係なし!何時から始めても実力発揮できるならOK!いいじゃないですか。
3年後のアスリートたちの戦いが、凄く楽しみです。
選手の皆さん、本当にお疲れ様でした<(_ _)> 沢山の感動をありがとうございました✨(T人T*)

コメント
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