うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

君まで全力疾走!第1話

2023年04月02日 22時14分00秒 | ノベルズ

全力で走りぬいた先に、運命を分ける一枚のカード。
(今なら・・・今ならきっと―――)
自ら手を伸ばして運をつかむ。

(―――「やらない後悔より、やった後で後悔するほうがいい」)

そう言って夕日を浴びた横顔の美しさ。
その時、決意したんだ。俺も後悔しないと。

(なら俺も、掴んで見せる!)

後ろから群がってくるライバルたちよりいち早く、その運命を俺は掴んだ。
カードを開いた瞬間、目を見張る。

(これは―――)


***


彼女を意識しだしたのは、薫風香る頃。
中間一貫校のSEED学園。その高等部2年生のクラス替えがあってから1か月後の事だった。
「あ、今度の隣の席はお前か。よろしくな!」
「あ、あぁ。よろしく。」
傍から見たら随分と素っ気ない男だと思われるだろうか。
いつもだったら何の感情も湧き起らず、ただ窓の外を眺めて過行く時間を持て余すだけなのだが、何故かこの時ばかりは焦りを覚えた。
もっと気の利いた言葉で親近感を出すべきだろうか。だがそんな俺をよそに、彼女は何もかも承知したように反対隣の席のクラスメイトとの話に興じている。

彼女のことはもちろん以前から名前を知っていた。

『カガリ・ヒビキ』

中等部の頃からの親友、キラ・ヒビキとの双子の相方。「相方」と書いたのは、二人に聞くとどちらも自分の方が「姉だ!」「兄だ!」と言い張るので、あえてこういう呼び方にしている。
彼の家に遊びに行ったとき、研究員で日中不在の両親に代わって、お茶やお菓子などをキラの部屋に運んでくれたのを見かけたのが初めての出会い。
その時の印象は、友人は双子なんだ、という感想のみ。
強いて言えば、笑顔の眩しい元気な子という印象だった。
だが次第に、意識せずとも彼女の姿は俺の目に飛び込んでくるようになってきた。
電子工学部という、活動しているのかすら定かではない部活に所属するキラと違って、あちこちの運動部から助っ人を頼まれる彼女は運動神経も良く、女生徒たちからの人気が非常に高かった。
「ヒビキせんぱ~~~いvv」
と黄色い声援を浴びながら、それをクールに往なす彼女は、確かに宝塚の男役ならぬユニセックスな魅力があったのだろう。
オマケに中等部では生徒会にも所属しており、じっとしている暇なんて見たことがない。高等部でも一年の時から会計として生徒会に所属している。もちろん運動部も兼任している。
それが彼女に関する俺の知る情報の全部だった。

 

―――続きはこちらから。

 

***

久しぶりのSS、学パロです。
こちらは先日発行いたしました、アスカガアンソロジー『Always with You!』にご寄稿くださいました、さびぃ様の作品にインスピレーション受けまして、かもしたがお話を付けさせていただいたものです。
アンソロをご覧頂いた方はご存じかと思いますが、さびぃ様の作品のアスカガはもちろん、他のキャラまで皆可愛くって♥ 愛がいっぱい込められた作品を見ていましたら、駄作ながら妄想が沸々とw さびぃ様にお伺いさせていただきましたところ、ありがたくもご許可をいただきましたので、形にしてみました。
さびぃ様の作品のシーンは最終章になりますが、色々と前日譚を付けさせていただきました関係で、ちょっと長編になりました💦
また地道に書き進めてきますので、連載になりますが、もしお気が向きましたらお目通しいただけましたら幸いです♥(^人^)

 

コメント
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