「いらっしゃいませ!」
例のビニール傘が買えなかったコンビニで、彼女がアイスボックスをのぞき込む。
「ど・れ・に・し・よ・う・か・なー―――と、これ!」
そう言って取り上げたのは二つに割れるタイプのアイスキャンディー。
携帯で決済をしている間に、彼女はさっさと外に出てアイスの袋をゴミ箱に突っ込んでいるところだった。そして
<パキッ!>
小気味よい音と共に、二つに割ったそれの一本を俺に差し出す。
「はい!」
「え?いいよ、君に驕ったんだし…」
「折角なんだ。一人で食べるより、二人で美味しいのを食べたほうが、美味しいだけじゃなく、同じ話ができて楽しくなるだろう?」
そう言って俺の口元に差し出されるキャンディー。なんか「アーン♥」されているみたいで気恥ずかしいが、それ以上に心がフワフワと踊る。そして次第に高まってきたこの心臓の拍動が彼女にまで聞こえまいか、ドギマギしたまま固まっていると、カガリは大きな金眼で俺を見つめたまま少し小首をかしげて促してくる。多分俺の顔は相当火照っているに違いない。少しでもこの熱を下げて落ち着くなら、と、ゆっくりアイスキャンディーを咥えて見せると、満足したのか軽くうなずいて、彼女も口にくわえながら歩き出した。
さっぱりとしたソーダ味が口腔内に広がる。ジメジメとした夏の初めの鬱陶しさまで拭い去ってくれるようだ。
いや、気候だけじゃない。グズグズと悩むばかりで心に溜め込むばかりだった澱を、彼女はその真夏のような明るさで、押し流してくれた。
―――つづきはこちらから。
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一週間ぶりのSS更新です。
今週もちょっと短めですが、読み流していただけますとありがたく(ー人ー)
来週はいよいよこの作品のモデルになった、アンソロジーのさびぃ様の作品のシーンが登場します(お待たせしました<(_ _)>💦)
なので、是非ともお手元に「Always with You!」をご用意していただくと、更に楽しめるかと思います(^^ゞ
・・・もっとサクサクとテンポよくUPできればいいのですが、どうしても今週も介護に追われて全然暇がなくって💧
でもすこーし父の方も機能が回復してきたのか、痛みも少なくなってきたようで、自立出来てきた部分も多くなってきました。お陰でめっちゃ助かります!でも本人は「リハビリは絶対やらないからな!」と言い張っていて、「だったら自分でやれよ!(#・∀・) こっちはこれ以上身体張れないぞ!」と怒ったら、逆切れしてくるので始末に負えん💧(==;)
別にいいですよ。リハ行かなくても。代わりに自主的に歩行訓練とかきちんとやってくれればね。それをしないから問題なのですが…本人もなってみないと分からないんでしょうね。┐(´д`)┌ヤレヤレ
来週もまた病院介助しなくちゃ。