C.E.69.3月8日 PM 14:27―――
人波を避けるようにしながら歩き続ける繁華街。
(はー…)
心の中ではため息交じりの吐息を一つ付いて、ショーウィンドウの中を覗き見る。
そこには煌びやかな宝石でも収めるような、美しい小箱に包まれたスイーツの数々。
ホワイトデーまであと6日。
昨月、母伝手に思いがけず貰ってしまった、バレンタインのチョコレート。
送り主は―――見たことのない相手
(―――「オーブのお姫様がね、「宇宙で働く皆は、男女問わず英雄だ!」って言ってくれたの。「うちにも貴女ぐらいの男の子がいて、将来技術者になるって言っているのよ」って言ったら、「じゃぁ未来の英雄にも!」って貴方の分もくれたのよ。」)
別に個人的な愛情を込められたわけでもない、言ってしまえば母の次いでで貰ったようなものだ。だから無視しても全く構わないし、相手も承知の上でくれたはず。
(だけど…)
何故か、放っておけないのだ。
無論、お返しを贈る術も何もない。
まかさ「オーブ首長国・アスハの姫君」宛に郵送したとしても、「見知らぬ輩からの不審物」として速攻処分されるに違いない。
だからこんなところに来て、お返しを探し、用意したところで、時間も金銭も無駄になるだけだ。
何度もそう理性が正論を繰り返し語ってくれるのだが、この一か月、何故か落ち着かなかった。
繁華街、というより買い物自体出たことがない。あるといえば電子工学の技術分野の専門書や、必要時文房具等を買いに来るぐらいで、こんなしゃれた、いかにも女の子が喜びそうな店でウインドウショッピングなど生まれて初めての経験に近い。
「……」
正直人混みも好きではないのだから、ここまで苦労する必要もないのに、足は何故かこちらに向いてしまった。
(大体、返礼として、何を贈ったらいいのか…)
煌びやかな包装の中には『マカロン』や『キャンディー』、『チョコレート』など、女性が好みそうなものばかり。
だが、手を伸ばしかけてフッと思う。
贈られた、あのハート型に加え業務用チョコを割ったような大きなチョコを、外から見てわかるようなフィルムの袋に入れ、更にドン!と付けた真っ赤なリボン。
思い出すと、何故か口元が緩んでしまう。
(申し訳ないけれど、こういう華やかさとは一線を引く御仁に思えるんだが…)
それに―――
簡単に小箱を手に取り、それをそのまま贈る、というのが、何故かとっても味気なく感じてしまうのだ。
寧ろあの煌びやかなチョコより、粗野…いや、失礼。おおらかなチョコレートを一人で大量に懸命に作ってくれた彼女には、もっとふさわしいお返しをしなければならない気がしてならない。
そう思って、寧ろ有名パティシエ店の並ぶ繁華街を出て、別の店に向かう。すると幾つか可愛らしいお菓子が目に飛び込んだ。流石にあの表通りの店の高価なお菓子に比べたら引けを取るが、(これなら料理経験のない自分でも一手間加えて、ある程度見栄えもするものが贈れそうだ)と、とりあえず購入。自宅に帰ろうと先ほどの大通りに出て歩き始めたその時だった。
―――続きはこちらから。
***
ということで、18回目の『アスカガ運命の出会い記念日』でありますよ。
今回は現在絶賛開催中のガンカフェのホワイトデーイベントと絡めまして&前作のバレンタインイベントSS『未来の英雄』の続編として、捏造しまくりでお送りいたします。
もうかれこれ17回も祝っていると、以前どんな話を書いていたか、さっぱり思いだせません(苦笑)
ということで、今年のネタはイベントに引っ掛けさせていただきました。
ちなみにプロットはホワイトデーイベントが始まる前に、バレンタインの時に既に映像が出ていたので、そこから妄想してプロット作っていたんですが、ホワイトデーイベントのお礼カードに描かれているお菓子の絵柄が、まさかのネタが被っていたのでビックリでした!
しかも一瞬前まで『マシュマロ』を使うプロットで、何気なく調べたらとんでもない結末になるところだったことを知った…慌てて練り直しする羽目になったことは言うまでも無し。
やはりちゃんと資料は集めてから書かないといけませんね💦結局いつも通りのギリギリセーフでした(;・∀・)
さて、そんな今日はそのガンカフェでイツメンとホワイトデーイベントに参加して、皆で運命出会い記念日の祝賀会をしてきます(^^ゞ
帰ったらいっぱいアスカガ作家様方の作品がUPされていると思うので、楽しみにしてますわ(≧▽≦)b
人波を避けるようにしながら歩き続ける繁華街。
(はー…)
心の中ではため息交じりの吐息を一つ付いて、ショーウィンドウの中を覗き見る。
そこには煌びやかな宝石でも収めるような、美しい小箱に包まれたスイーツの数々。
ホワイトデーまであと6日。
昨月、母伝手に思いがけず貰ってしまった、バレンタインのチョコレート。
送り主は―――見たことのない相手
(―――「オーブのお姫様がね、「宇宙で働く皆は、男女問わず英雄だ!」って言ってくれたの。「うちにも貴女ぐらいの男の子がいて、将来技術者になるって言っているのよ」って言ったら、「じゃぁ未来の英雄にも!」って貴方の分もくれたのよ。」)
別に個人的な愛情を込められたわけでもない、言ってしまえば母の次いでで貰ったようなものだ。だから無視しても全く構わないし、相手も承知の上でくれたはず。
(だけど…)
何故か、放っておけないのだ。
無論、お返しを贈る術も何もない。
まかさ「オーブ首長国・アスハの姫君」宛に郵送したとしても、「見知らぬ輩からの不審物」として速攻処分されるに違いない。
だからこんなところに来て、お返しを探し、用意したところで、時間も金銭も無駄になるだけだ。
何度もそう理性が正論を繰り返し語ってくれるのだが、この一か月、何故か落ち着かなかった。
繁華街、というより買い物自体出たことがない。あるといえば電子工学の技術分野の専門書や、必要時文房具等を買いに来るぐらいで、こんなしゃれた、いかにも女の子が喜びそうな店でウインドウショッピングなど生まれて初めての経験に近い。
「……」
正直人混みも好きではないのだから、ここまで苦労する必要もないのに、足は何故かこちらに向いてしまった。
(大体、返礼として、何を贈ったらいいのか…)
煌びやかな包装の中には『マカロン』や『キャンディー』、『チョコレート』など、女性が好みそうなものばかり。
だが、手を伸ばしかけてフッと思う。
贈られた、あのハート型に加え業務用チョコを割ったような大きなチョコを、外から見てわかるようなフィルムの袋に入れ、更にドン!と付けた真っ赤なリボン。
思い出すと、何故か口元が緩んでしまう。
(申し訳ないけれど、こういう華やかさとは一線を引く御仁に思えるんだが…)
それに―――
簡単に小箱を手に取り、それをそのまま贈る、というのが、何故かとっても味気なく感じてしまうのだ。
寧ろあの煌びやかなチョコより、粗野…いや、失礼。おおらかなチョコレートを一人で大量に懸命に作ってくれた彼女には、もっとふさわしいお返しをしなければならない気がしてならない。
そう思って、寧ろ有名パティシエ店の並ぶ繁華街を出て、別の店に向かう。すると幾つか可愛らしいお菓子が目に飛び込んだ。流石にあの表通りの店の高価なお菓子に比べたら引けを取るが、(これなら料理経験のない自分でも一手間加えて、ある程度見栄えもするものが贈れそうだ)と、とりあえず購入。自宅に帰ろうと先ほどの大通りに出て歩き始めたその時だった。
―――続きはこちらから。
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ということで、18回目の『アスカガ運命の出会い記念日』でありますよ。
今回は現在絶賛開催中のガンカフェのホワイトデーイベントと絡めまして&前作のバレンタインイベントSS『未来の英雄』の続編として、捏造しまくりでお送りいたします。
もうかれこれ17回も祝っていると、以前どんな話を書いていたか、さっぱり思いだせません(苦笑)
ということで、今年のネタはイベントに引っ掛けさせていただきました。
ちなみにプロットはホワイトデーイベントが始まる前に、バレンタインの時に既に映像が出ていたので、そこから妄想してプロット作っていたんですが、ホワイトデーイベントのお礼カードに描かれているお菓子の絵柄が、まさかのネタが被っていたのでビックリでした!
しかも一瞬前まで『マシュマロ』を使うプロットで、何気なく調べたらとんでもない結末になるところだったことを知った…慌てて練り直しする羽目になったことは言うまでも無し。
やはりちゃんと資料は集めてから書かないといけませんね💦結局いつも通りのギリギリセーフでした(;・∀・)
さて、そんな今日はそのガンカフェでイツメンとホワイトデーイベントに参加して、皆で運命出会い記念日の祝賀会をしてきます(^^ゞ
帰ったらいっぱいアスカガ作家様方の作品がUPされていると思うので、楽しみにしてますわ(≧▽≦)b
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