観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

3月23日の渡り鳥調査隊の報告

2019-03-26 23:57:24 | 春の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 8時43分 潮位203cm
今日の干潮時間15時20分 潮位 40cm

 

名古屋にサクラの開花宣言が発表されましたが、強風が吹く日あり、急に冷え込む日あり、でお天気が不安定な日が続いていますね。

今日の庄内川河口は午前中はおだやかだったのですが、昼過ぎから風が強く吹き出し、夜にはぽつぽつと雨も降りました。

 

少し遅くなりましたが、今日は先週末(3月23日(土))に開催した渡り鳥調査隊のご報告です。

まずは、今思い返しても、23日は寒かった・・・。

朝は冷え込み、野鳥観察館の外壁には、寒さで動けなくなったと思われるヤモリが。

私が近づいても、逃げることができなかったようです(お昼過ぎに見に行ったら、いなくなっていました)。

 

あまりに寒いので、渡り鳥調査隊での屋外での観察は中止しようかと思いましたが、せっかく広い干潟が出る日だったので屋外での観察も少し行いました。

屋外では、護岸のすぐ下の干潟でシロチドリ、コチドリ、イソシギ、ハクセキレイ、そしてコガモ、ヒドリガモなどのカモの仲間を観察できました。

その他、干潟の奥の川では夏羽に換羽したカンムリカイツブリなどを見ることができました。

コチドリは、庄内川河口では今季初の確認でした。また春の使者が干潟にやってきましたね。

ハクセキレイは複数羽が護岸の捨石の間を飛び回っていました。

こちらは換羽中のオスと思われる個体↓。背中などが黒色と灰色のまだらです。これからもっと黒くなるはずです。

そして、盛んに大きな声で鳴いていました。

かと思えば、餌さがしと、忙しそうにしていました。

イソシギも捨石や干潟の上で餌を探していました。

こちらは、渡り鳥調査隊の間ではなかったですが、ハシボソガラスもこの捨石部分で魚を食べているのが観察できました。

 

屋外での観察はそこそこで引き上げて、その後は暖かい館内で引き続き、渡り鳥調査隊を行いました。

屋内からは、カモメの仲間、サギの仲間、そして渡り鳥調査隊の最中に飛来したハマシギ、ダイゼンを観察することができました。

ハマシギとダイゼンは導流堤の向こう側の新川に飛来したので、2階から小さな姿しか見ることができませんでしたが、最近はなかなか見るタイミングが難しいハマシギとダイゼンを見ていただくことができて、嬉しく思いました。

 

カモメの仲間については、すでに頭黒になった個体の多いズグロカモメは徐々に渡っているようで数が減っていますが、ユリカモメはたくさん干潟に集まっていました。

お昼過ぎに広がった干潟↓。白色のカモメやサギの仲間が集まってきていました。こんなに広がる干潟を見ると、春になったのを実感します。

他のカモメの仲間やサギと一緒に、水深が浅くなったところで、小魚を追っていたようです。

 

そして、ズグロカモメより遅れてですが、頭の黒くなったユリカモメが目立つようになってきました。

こちらは21日に撮影されたユリカモメ↓。だいぶ頭の色が黒褐色になっていますが・・・、

ズグロカモメと違って、後頭部は黒くなりません。また、初列風切羽の先端に白斑はほぼありません。

 

 

 (※頭の黒いユリカモメの写真は来館者の方から提供いただきました。) 

 

23日の渡り鳥調査隊は、冬と春の渡りの端境期で、多くのカモが去った一方、まだ春のシギ・チドリの渡りは始まっておらず、少し寂しい印象だったかもしれませんが、確実に春に移っている干潟や鳥たちの様子をじっくり見てもらえたのではないかと思います。

23日で今年度の渡り鳥調査隊は終了しました。今年度、参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

来年度も、毎月1回、「藤前干潟の渡り鳥調査隊」を実施していきます。(1回ずつ参加を受け付けます。)

渡り鳥調査隊という名前のイベントですが、「探鳥会」や「野鳥観察会」と同じく野鳥をみつけて観察することがメインで、それにプラスアルファとして、野鳥の種類と数を調査する体験を少しできます。

初心者も歓迎です。

これから干潟は最も良い季節になりますので、ぜひご参加ください。

次回は4月6日(土)開催です。→詳細はこちら(PDF)をご覧ください。

【4月の渡り鳥調査隊】
 日時:4月6日(土)10:00~12:00
 場所:名古屋市野鳥観察館
 対象:小学生以上
 定員:20名
 参加費:無料
 持ち物:帽子、水筒、必要に応じて防寒具、双眼鏡(お持ちであれば) 
 申込み・問い合わせ先:名古屋市野鳥観察館(TEL/FAX)052-381-0160

 

  

3月23日(土)の渡り鳥調査隊等で観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ1、カンムリカイツブリ192、カワウ562、
ダイサギ3、コサギ7、アオサギ18、マガモ17、カルガモ35、コガモ23、オカヨシガモ3、ヒドリガモ23、キンクロハジロ16、スズガモ228、ホオジロガモ1、ミサゴ4、コチドリ1、シロチドリ4、ダイゼン5、ハマシギ66、イソシギ2、ユリカモメ135、セグロカモメ46、オオセグロカモメ5、カモメ117、ズグロカモメ3
ツバメ、ヒヨドリ、シロハラ、ツグミ、スズメ、ハクセキレイ、キジバト、カワラヒワ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ハシボソガラス

(※イベント前後にスタッフがカウントしたものも含んでいます。)

 

明日の満潮時間 9時09分 潮位187cm
明日の干潮時間16時05分 潮位 56cm

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桜がいよいよ・・・

2019-03-22 17:45:02 | 春の藤前干潟

藤前干潟

今日の満潮時間 6時55分 潮位241cm 

今日の干潮時間13時00分 潮位 18cm

 

今日はあたたかい一日でしたが、終始強い風が吹き続けていました。

そんな中、観察館前ではせっせとカワラヒワが巣材を集めていました。↓

ハトが落としていった羽を中心に、巣作りのためにたくさんくわえていました。

 

公園内ではあたたかさを感じると共に、ソメイヨシノが徐々につぼみを開き始めています。

(名古屋市では、今日、ソメイヨシノの開花宣言が出されたそうですが、稲永公園のソメイヨシノはまだ2~3輪が咲いているだけのようです。)

ちょうどソメイヨシノの木にツグミがとまったのでパシャリ。↓

ツグミから少し離れた所では、シロハラが地面で採餌をしていました。↓

またヤマザクラも少し早くに咲いています。ヒヨドリは花のつぼみを食べていました。↓

あたたかさを感じたのも束の間。週末はまた少し冷えるそうなので、体調に気をつけてお過ごしください。

 

また、明日、3月23日(土)は今年度最後となる3月の「渡り鳥調査隊」を実施します。

お天気は悪くなさそうですが、風は吹くようです。防風・防寒対策をしっかりしてお越しください。当日参加もお待ちしております。

 【3月の渡り鳥調査隊】
 日時:3月23日(土)10:00~12:00
 場所:名古屋市野鳥観察館
 対象:小学生以上
 定員:20名
 参加費:無料
 持ち物:帽子、水筒、必要に応じて防寒具、双眼鏡(お持ちであれば) 
 申込み・問い合わせ先:名古屋市野鳥観察館(TEL/FAX)052-381-0160

 

明日の満潮時間 7時24分 潮位237cm

明日の干潮時間13時35分 潮位 14cm

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募集開始「愛鳥週間写真展」

2019-03-21 23:09:13 | 春の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 6時23分 潮位241cm
今日の干潮時間12時24分 潮位 28cm

 

今日は春分。天気はいまいちでしたが、早くに雨が上がり、暖かな日でした。

昨日、藤前干潟では今シーズン、初めてツバメを観察でき、今日もツバメが飛ぶ様子を頻繁にみかけました。

また、雨が降り、霞んでいたからなのか、約680羽のハマシギ、約70羽のダイゼンの群れが干潟に飛来しました。

 

さて、春分を迎えいよいよ春も本番でしょうか。

名古屋でのソメイヨシノの開花宣言もそろそろ聞こえてきそうです。

そして、名古屋市野鳥観察館では、毎年行っている「愛鳥週間写真展」の作品募集を開始しました。

 

多くの渡り鳥の飛来地であり、四季を通して100種類以上の野鳥を観察できるラムサール条約登録湿地「藤前干潟」。

この藤前干潟にある名古屋市野鳥観察館では、毎年「愛鳥週間(5月10日~16日)」にあわせて、皆さんから野鳥の写真を募集し、写真展を行っています。

今年の募集テーマは、「藤前干潟の野鳥」。

藤前干潟の野鳥の魅力を写した作品を募集します。

撮影時期・季節は問いません。過去に撮影された写真も歓迎です。

締め切りは【4月21日(日)】です。

多くの方からのご応募をお待ちしております。

詳細はこちら(PDF)をご覧ください。


今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ11、カンムリカイツブリ183、カワウ597、ダイサギ3、コサギ15、アオサギ28、マガモ22、カルガモ22、コガモ31、オカヨシガモ15、ヒドリガモ20、ホシハジロ2、キンクロハジロ118、スズガモ247、ホオジロガモ1、ミサゴ2、チュウヒ1(♀)、シロチドリ6、メダイチドリ1、ダイゼン71ハマシギ679、ホウロクシギ1、ユリカモメ378、セグロカモメ32、オオセグロカモメ6、カモメ186、ズグロカモメ11

明日の満潮時間 6時55分 潮位241cm
明日の干潮時間13時00分 潮位 18cm

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今日はスズメ推し

2019-03-19 22:51:57 | 春の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間11時08分 潮位 65cm
今日の満潮時間16時55分 潮位217cm

 

今日は一日中、なんだかすっきりしないお天気でしたね。

そして風はありませんでしたが、うっすらと寒い・・・。

春とは言っても、藤前干潟ではまだまだ寒さへの油断は禁物のようです。

 

潮が良くなってきて、今日はお昼頃に庄内川河口には大きく干潟が広がりました。

ズグロカモメだけでなく、ユリカモメにも頭が真っ黒(正確には黒褐色)になっている個体がちらほら目立つようになってきました。

また、カンムリカイツブリが翼をバタバタさせながら水面を走っている様子もあちこちで観察できましたし、夏羽に換羽途中のハジロカイツブリも観察できました。

 

そして、3月15日に引き続き、今日も野鳥観察館前の水たまりは大賑わいでした。

カワラヒワ、スズメ、ヒヨドリ、ツグミ、キジバト、ハシボソガラスなどがやってきていましたが、今日はその中でもスズメが賑やかでした。

水を取り囲むスズメ↓。じっとせずあちこちを見ていました。

そして、給水↓。

その後は、水浴びタイム↓。

だんだん激しくなっていく水浴び↓。

おや、途中、ツグミが混浴していました。

水浴び後は羽繕いです。

今日はスズメの群れをよくよく観察できて、小さくてちょこまか動くスズメの魅力を再発見できました。

 

スズメと言えば・・・、個人的な話ですが、先日、こちら↓を名古屋市博物館でゲットしました。

花魁雀のコスチュームをしたキューピーのストラップです。

現在、名古屋市博物館では「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」という特別展が開催されています(4月7日(日)まで)。

この中で展示されている歌川国芳の「里すゞめねぐらの仮宿」という作品に描かれている花魁姿のスズメが、このキューピーのモチーフになっています。

この作品では、花魁や通りにいる多くの人たちの顔が全てスズメで描かれています。

スズメの顔なんですが、それぞれが様々な表情や仕草をしていて、一人一人(一羽一羽?)をじっくり見ていると会話が聞こえてきそうなくらいでした。

こういった方法で鳥を見るのもおもしろいですね。

(花魁雀のキューピーは、展示会場で販売されていました。)

なお、この他には、カエルや魚などの生きものが描かれている作品も多数あり、その描写などもおもしろかったのですが、この特別展は血みどろで残忍な場面を描いた作品のコーナーもありまして、いろんな意味で刺激的でした。

 

 

3月17日(日)に観察できた主な野鳥 カンムリカイツブリ385、カワウ607、ダイサギ2、コサギ6、アオサギ11、マガモ8、カルガモ45、コガモ2、ヒドリガモ12、ホシハジロ2、キンクロハジロ5、スズガモ346、ホオジロガモ1、ミサゴ2、ダイゼン2、ホウロクシギ1、ユリカモメ45、セグロカモメ19、オオセグロカモメ3、カモメ174、ズグロカモメ16

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ6、カンムリカイツブリ205、カワウ1,513、ダイサギ4、コサギ20、アオサギ30、マガモ10、カルガモ20、コガモ25、ヒドリガモ15、キンクロハジロ7、スズガモ294、ホオジロガモ1、ミサゴ5、シロチドリ10、メダイチドリ1、ホウロクシギ1、ユリカモメ80、セグロカモメ23、オオセグロカモメ5、カモメ73、ズグロカモメ16 他タヌキ3

 

※明日(20日(水))は休館日です。
明日の干潮時間11時47分 潮位 45cm
明日の満潮時間17時42分 潮位233cm

※21日(木・祝)は開館します。
21日(木)の干潮時間12時24分 潮位 28cm
21日(木)の満潮時間18時26分 潮位241cm

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ホウロクシギ飛来

2019-03-16 20:26:32 | 春の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 7時50分 潮位125cm
今日の満潮時間13時05分 潮位157cm

 

今日は晴れたものの風が強かったですが、稲永公園はグラウンドで野球をする多くの野球少年で賑わっていました。

また、潮はあまりよくありませんでしたが熱心なバードウォッチャーの来館もありました。

 

さて、そんな藤前干潟には、昨日からホウロクシギ(1羽)が飛来しています。

なお、ホウロクシギに似ていて、藤前干潟で今年は3羽が越冬していたダイシャクシギは昨日まで観察できましたが、今日は確認できませんでした。

 

庄内川河口の干潟では、カモの姿はすっかり少なくなり、カワウとカモメ、そしてサギが目立つようになってきました。

ズグロカモメは頭が真っ黒の個体が随分増えています。まるで真っ黒なヘルメットを被っているようです。

干潟の近くを泳いでいたスズガモのメス↓。スズガモの群れはまだ新川や日光川河口で見ることができます。

同じく近くを泳いでいたコガモのオス↓。コガモは、藤前干潟で越冬するカモの中で一番早くに飛来して一番遅くまで観察することのできるカモです。

 

また、昨日は、野鳥観察館前の水たまりはとっても久しぶりに千客万来でした。 

まずはメジロ↓。次々やってきて水浴びしていきました

続いてやってきたのはカワラヒワ↓。スズメと一緒に群れになってやってきていました。

シロハラ↓。この後、ツグミとケンカしていました。

シロハラとの戦いに勝った(?)ツグミ↓。熱心に水浴びしている姿も見られました。

ヒヨドリも何度もやってきました↓。

そして、キジバトも↓。

この他、稲永公園では、ウグイスの「ホーホケキョ」というさえずりが聞こえたり、シメ↓や、ハクセキレイ、ハシボソガラスなどが観察できました。

今日は風が強くて、小鳥の声が昨日より聞こえずらかったですが、小鳥の鳴き声が賑やかになってきて、またまた春を感じます。

 

(※ズグロカモメ、スズガモ、コガモ、シメの写真は来館者の方から提供いただきました。)

 

 

さらに、昨日のご報告ですが、昨日は野跡コミュニティセンターで行われている「野跡ふれあいサロン」へ行ってきました。

(「野跡ふれあいサロン」は、地域住民のボランティアの方が、地域の住民の方の健康づくりや生きがいづくりを目的として、毎週金曜日の午後に行っているサロンで、多くの地域の方が集まる場となっています。

今回もお隣の稲永ビジターセンターのスタッフとともに伺い、今、世界的に問題となっている「プラスチックごみ」についてのお話などをしてきました。

まずはプラスチックごみに関するクイズを行った後、藤前干潟に漂着するペットボトルなどの多くのプラスチックごみの現状を紹介しました。みなさん、非常に熱心に聴いてくださり、質問も複数いただいたので、普段からごみ問題に興味関心を持っている方も多いのではないかと感じました。

 

 

その後は、 藤前干潟とつながる海の生きものにも思いをはせてもらおうとクジラの折り紙を行い、みなさんの折ったクジラで、カラフルなクジラの群れができました。

跡ふれあいサロンに参加いただいたみなさん、今回もありがとうございました。

 

 

昨日(3月15日)観察できたシギ・チドリ シロチドリ11、ダイゼン23、トウネン1、ハマシギ187、ダイシャクシギ1、ホウロクシギ1

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ14、カンムリカイツブリ285、カワウ1,071、ダイサギ2、コサギ10、アオサギ9、マガモ29、カルガモ58、コガモ7、オカヨシガモ4、ヒドリガモ8、ホシハジロ3、キンクロハジロ33、スズガモ212、ホオジロガモ2、ミサゴ4、シロチドリ5、ハマシギ123、ホウロクシギ1、ユリカモメ21、セグロカモメ29、オオセグロカモメ4、カモメ157、ウミネコ2、ズグロカモメ33

 

明日の干潮時間 9時30分 潮位110cm
明日の満潮時間14時57分 潮位172cm

※明後日(18日(月))は休館日です。
明後日の干潮時間10時25分 潮位 88cm
明後日の満潮時間16時04分 潮位195cm

19日(火)の干潮時間11時08分 潮位 65cm
19日(火)の満潮時間16時55分 潮位217cm

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