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「リハビリの夜」熊谷普一郎著を読んでの感想

「リハビリの夜」熊谷普一郎著を読んでの感想です。
電動車椅子に乗っている脳性まひを持った東京大学の先生。
当事者研究の研究もされている。
僕はどうも熊谷先生の書く本は難しいと思っていました。
でも今回「リハビリの夜」を読んで熊谷先生への見方が変わりました。
僕には難しいリハビリの問題点などを書かれているのだけれど、ユーモアを入れて書かれている。僕は不謹慎だけど楽しんで読みました。
敗北。許しの本なのかな。
1人でいきがっていては見えないやさしいやわらかい世界へと僕を連れて行ってくれる。
障害を通して深いやさしい、そして許しを僕は体験させてもらっているのだ。

この本の本筋とはズレているだろうけれど僕はこの本で障害を持つことで得られる豊かさを思いました。
相手にも自分にもやさしく成れるのだ。
自分が出来ないこと敗北、失敗を体験したことで、僕は失敗、敗北を大切に生きて行こうと思いました。
そこにユーモアややさしさ温かさが作られると思う。
それが僕がこれから生きる道かも。
そして僕も衰えていく。「敗北」は「許し」でもある。

熊谷さんは一人暮らしをきっかけにして親以外の他者とつながり、ほどけ、ていねいに結び直した。
ここが強制的なリハビリと違う所。社会とつながれた。
僕もこれと共通しているかも。
精神障害に成り親に頼っていた所から僕は外につながりを求めた。
それはつながり、ほどけて、ていねいに結び直した。そして今も続けている。

それにしてもこの本の熊谷先生の記述がおもしろかった。
筒井康隆のドタバタ小説を読んでいるようだった。
リハビリで失敗した後の「敗北の官能」とか「失禁の退廃的とも言える恍惚」とか書いてある。
リハビリでトレイナーの言う通りに動けなくて焦り、また失禁をした後の情けなさでも気持ち良さ。
確かにあるなと僕も思う。

僕も気象予報士の勉強していても朝起きられなくて2度寝してしまった後に敗北の官能が有ったな。
この敗北、失敗の後の恍惚感、これを味わうのが大切と僕も思う。
何とも言えぬ気持ち良さがあった。
それらは僕にやさしい。
そしてこれを味わえていると嫌な事も流せると僕は思います。
その官能、恍惚を書かれている熊谷先生に僕は深く共感しました。

そんな本筋とズレた所に僕は深く感じた所がありました。
もう一度読み返して本筋も理解しよう。
でも僕はそれ以上に敗北、失敗を気持ちよく味わう大切さを思い出しました。
そんなユーモアが有ればつらい世の中でも生きていけるのだと僕は思います。
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