ようやく暖かくなり、尼崎の老母(91)を訪ねた。
電車の中は、午後の日射しでポカポカ、ウトウトしながらゆられていった。
1月ほど前に母の好きな啄木歌集や父の書き残した句集を印刷し簡易製本して郵送した。返信ハガキも同封しておいたのに反応がない。いよいよボケが進行しているのではないかと気になってでかけた。
3ヶ月ぶりに見る母は元気そうだった。
「お正月はだれか来てくれた?」ときくと「いいや、だれも来なかったよ」と答えた。
実は倅達が寄ったはずなのだ。「近頃、よう忘れてなぁ」と申し訳なさそうな顔をしている。
「そうか、しょうがないなぁ、まぁ、僕も同じようなものや、元気なのがなによりやで」と慰める。
昔のことはよく覚えているので思い出話に興じたが、おかしくもあり哀しくもある。
帰りに三宮の古本屋によってみた。駅前には街頭音楽士が見事なペルーの音楽を聴かせていた。ここは若者達の待ち合わせ場所でもある。日曜日とあって実入りもよさそうだった。
庭先のしだれ梅
ストリート・ミュージシャン
電車の中は、午後の日射しでポカポカ、ウトウトしながらゆられていった。
1月ほど前に母の好きな啄木歌集や父の書き残した句集を印刷し簡易製本して郵送した。返信ハガキも同封しておいたのに反応がない。いよいよボケが進行しているのではないかと気になってでかけた。
3ヶ月ぶりに見る母は元気そうだった。
「お正月はだれか来てくれた?」ときくと「いいや、だれも来なかったよ」と答えた。
実は倅達が寄ったはずなのだ。「近頃、よう忘れてなぁ」と申し訳なさそうな顔をしている。
「そうか、しょうがないなぁ、まぁ、僕も同じようなものや、元気なのがなによりやで」と慰める。
昔のことはよく覚えているので思い出話に興じたが、おかしくもあり哀しくもある。
帰りに三宮の古本屋によってみた。駅前には街頭音楽士が見事なペルーの音楽を聴かせていた。ここは若者達の待ち合わせ場所でもある。日曜日とあって実入りもよさそうだった。
庭先のしだれ梅
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