定点観測という手法があります。一般的には同じ場所(時には同じ時刻に)を定期的に記録し続ける事だと思います。僅かな差異が積み重なって、やがては全く違うものになっている。或いは全く変わらない。それが分かる面白味がありますよね。
片手袋は毎回撮る場所が違うので定点観測とは言えないかもしれません。
しかし、「人間が手袋を落とす、人間が落ちている手袋を拾ってあげる」という行動を点で記録し続けている、という意味において、やはり定点観測の一種ではあると思うのです。
だって片手袋なんて地味な存在にすら、スマホの普及とか、温暖化とか、そういう時代の流れによる差異が現われるんですからね。これこそ定点観測の醍醐味でしょう。
だからこそ僕は、“片手袋写真家”ではなく“片手袋研究家”を名乗っている事を忘れないようにしたいと、いつも思うのであります。