週末の朝晩、ハナを連れてご近所を散歩した。この町内で暮らし始めて33年ほど経つのに家の近所を歩くことがほとんどなかった。いつも車に乗って走り過ぎるので、じっくり表札を眺めることもなかった。聞いたことのある名前の表札を見つけて、ここのお家だったのかとか、手入れの行き届いた庭木を観察したり、ハナの散歩は新しい発見もあって僕にも面白かった。
ハナはお散歩デビューしたばかりなので、短い距離しか歩けない、いや、歩かない。百数十メートル歩くとハナは不安そうな表情で座り込んでしまった。これ以上先に進むことを拒むので、引き返すことにする。帰りはスタコラとテンポよく歩いて、家に戻った。