政財界のリーダー養成機関として創設された松下政経塾の面白い話を、ある雑誌で読んだ。塾生の選考は筆記試験・体力試験の第一次選考、理事との面接試験の第二次選考のあと、松下幸之助塾長との面接が行われる。松下塾長が塾生を選ぶ最終の判断基準は「運」と「愛嬌」だったのだとか。
不確実性の時代、勝負を決するのはリーダーが生来持っている運だというのだ。ナポレオンも将軍を任命するときその男の「運」の強さを探ったという。孫正義も「成功したかったら運のいい人と付き合え」と言っているようだ。
「運」と「愛嬌」。「愛嬌」は努力で高めることができるけど、「運」のいい人になるにはどうすればいいのか。運のいい人と付き合えば運のいい人になれるのだとか。
運があるかどうかわかるのかという質問に対して、松下塾長は私には分かると断言したそうだ。
この記事を読んで、確かになあと僕の拙い経験でもこの「運」と「愛嬌」の話には素直に頷けた。毎年、新入社員を見ていて、いずれ会社で力を発揮してリーダーになりそうな人、会社の戦力になりそうな人にはその人格に漠然とした特有の雰囲気が漂っている。その特有の雰囲気が「運」と「愛嬌」ということなのだろう。
僕の人生も残り少なくなってきたけど、できることなら「運」と「愛嬌」のありそうな多くの人と付き合って、明るく楽しい余生にしたいものだ。決して、いかにも運がなさそうで愛嬌の少ない人との付き合いを拒むという偏狭な考えではないけれど・・・。