鹿児島川内原発の再稼働を容認する福岡高裁宮崎支部の決定のニュースを知り、ホッと胸を撫で下ろした。原発事故の可能性について社会通念ではゼロリスクは求めていないと、当然すぎるバランス感覚の判断をした。この世の中に絶対安全、ゼロリスクなんて存在しない。先の大津地裁決定のザロリスク論を明確に排除した点で、今回の判断は心底納得できる。
過剰にリスクを考えたら、自動車も飛行機も飛ばせなくなるし、「あつものに懲りてなますを吹く」ことが社会通念だなんて考えたら、地下深く潜って暮らさないと安全確保はできなくなる。過剰に考えれば考えるだけ企業や市民が負担する電力代が嵩み、企業は価格競争力を削がれて衰退し、国家は疲弊し、市民の平和な暮らしがままならなくなる。
大津地裁の決定で司法に幻滅し不信感で暗澹とした気持ちになったけど、今回の福岡高裁宮崎支部の決定はまだ司法の正義は信頼に堪えうると感じた。