宮尾登美子さんの小説「蔵」を読み終えた。新潟の酒蔵、田乃内家の人間模様を描いたものだけど、話にひき込まれて、上下二巻を一気に読み終えた。
小説を読むことは滅多にないことだけど、ひょうんなことからAmazonでポチした。
主人公は当主田乃内意造の一人娘、烈さんでもあり、義理の妹の佐穂さんだったようにも思える。盲目の逆境にもひるまず、力強く生きる烈さんや慎み深く控えめに家族を支える佐穂さんの生きる姿勢がすばらしい。それにしても宮尾登美子さんの構想力には圧倒される。モデルとなる酒蔵も実在した人物も何もない白紙からストーリーを組み立てられたことを知り、舌を巻いた。久しぶりに秀逸な小説に巡り合えた。