上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

からすみ

2010-03-08 | 動詞
台湾の友人から,大きなからすみをもらいました。
パッケージには「烏魚子」と書いてあります。Wūyúzǐと読むそうです。
しかしこのからすみは鳥のカラスとは関係がないのです。

「からす+み」ではなくて「から+すみ」なんですね。
名前の由来は,形が中国の墨,すなわち唐墨(からすみ)に似ているところから付けられたというのが定説です。

このからすみは,ボラやサワラなどの卵巣を塩漬けして塩抜きをしたあと,天日干しで乾燥させたもので,日本ではボラを用いた長崎県産のものが有名です。

韓国語では何というか調べてみました。
韓国ではからすみはほとんど食べられていないと思われます。
かろうじて‘숭어의 난소를 소금에 절여 굳힌 것을 가라스미[からすみ] 라고 하는데 아주 진미로 알려져 있다. ’という説明が見られるだけです。
さらに調べてみますと,수란〈秀卵〉という語が見つかりました。
もともとボラをさす숭어は秀魚が転じたものです。
その卵なのでこういうのでしょう。

日本人は魚の卵を好んで食べますが,韓国の人はあまり魚卵が好きではないようです。

タラコ,数の子,筋子,イクラ,白子…,日本人が好みそうな酒の肴ですが,さて,韓国語では何というのでしょうか。

タラコは명란〈明卵〉,または명란젓です。
発音は[명난],[명난젇] です。
タラのことを명태〈明太〉というのでその卵という意味なんですね。
しかし日本で明太子(めんたいこ)と呼ばれているものは,塩漬けのタラコというより,韓国風の辛子明太子の略称として使われているようです。

数の子は「かどの子」から来たと言われています。近世までニシンを「かど(カドイワシ)」と呼んでいたことの名残だそうです。
말린 청어알です。청어〈魚〉はニシンのことです。

ここでちょっと脱線しますが,みなさんはマグロのような赤身魚とか,タイやヒラメのような白身魚,そしてこのニシンやサバなどの青身魚を韓国語で何というかご存じですか。

赤身魚は붉은 살 생선,白身魚は흰 살 생선,青魚は등푸른 생선といいます。
青魚だけは,身が青いわけではなく外見が青いので「背中が青い魚」というわけですね。

고등어, 꽁치, 정어리 등 등푸른 생선을 일주일에 한번 먹는 사람은 한달에 1회 미만 먹는 사람에 비해 뇌졸중 위험이 22% 줄어 들었다.
(サバ,サンマ,イワシなどの青魚を一週間に1回食べる人は,一か月に 1回未満の人に比べて脳卒中の危険が22%減った)

脱線ついでにもう一つ,とくに青魚に多く含まれる「DHA」や「EPA」ですが,よく名前を聞きますよね。
これはいったい何なのでしょうか。

DHA,EPAの正式名称は
DHA ― ドコサヘキサエン酸 Docosa Hexaenoic Acid
EPA ― エイコサペンタエン酸 Eicosa Pentaenoic Acid
で、人間に必ず必要な「必須脂肪酸(필수지방산)」のひとつです。
体の中で勝手に作られることは無いので,食べものから取らなくてはいけません。

韓国語ではDHAは도코사 헥사엔산,EPAは오메가 지방산といっています。

さて残りは筋子,イクラ,白子でしたね。
筋子はサケやマスの卵を腹のまま塩に漬けたもので,イクラは生のうちに卵をほぐし,卵一粒一粒についている薄い皮を取り酒や醤油で漬け込んだものです。
それぞれ연어알〈鰱魚-〉または송어알〈松魚-〉,이크라といいます。

さて最後に残った白子ですが,これは魚の卵ではありません。
白子とは雄の魚の정소〈精巢〉のことです。
韓国語では이리といいます。
白子焼きは이리 구이です。
タラ(명태),アンコウ(아귀),フグ(복어)などの白子は珍味ですね。
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