上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

チャンポンはドンチャン騒ぎの音

2010-02-18 | 動詞
よくお酒をチャンポンにして飲むと悪酔いすると言いますよね。
韓国語でも술을 짬뽕하면 다음날 안 좋아요.というように使います。

韓国の人と飲むと,ビールとウイスキーをチャンポンにした爆弾酒(폭탄주)を勧められますから恐怖です。

もともと爆弾酒は短時間に酔う目的で,軍隊の中で流行したものが一般化社会に広がったみたいです。
私も経験しましたが,この爆弾酒にはいろいろなパターンがあるんですね。
ビールを注いだコップに何も入っていない小さなコップを浮かべ,そこにウイスキーを少しずつ注ぎ,ビールの中で沈ませるタイタニック(타이태닉・Titanic)などというものも,映画の流行とともに登場しては消えていきました。

爆弾酒は,一気飲み (원샷・one shot) と共に急性アルコール中毒(급성 알코올 중독)の原因にもなり,社会問題化しました。

きょうはこの「チャンポン」の語源についてお話しましょう。

「チャン」は鉦(かね),「ポン」は鼓(つづみ)の音を表すといわれ,さまざまな音が混じったもの,ごちゃ混ぜになった状態を言うんだそうです。

チャンポンは魚介類,豚肉,魚の練り製品や野菜などをさまざまな材料を炒めたものが,麺の上に載ってますからね。

日本のチャンポンは鶏のスープでツユの色が白っぽいですが,韓国の짬뽕はスープが真っ赤で,目も舌もやけどしそうですよね。
日本のチャンポンを想像して注文すると失敗しますよ。

ところでこのチャンポンの表記はどうでしょうか。
짬뽕でいいですか。

このチャンポンは純日本製の言葉なんですね。
つまり韓国の立場からすると日本語から入った外来語と言うわけです。
ですから外来語表記法が適用になり,本来ならば日本語の発音通りに찬폰と書かなければならないのですが,慣用を認めて짬뽕と書きます。

チャンポンの話が出ましたので,ちょっと脱線しますが,みなさんに教訓として1つお話ししておきましょう。
これは私が以前勤めていた病院で実際にあった話です。

看護師さんが内視鏡の検査待ちの患者さんを大声で呼んだんですね。
韓国の患者さんで,崔[최]さんという名前だったんですが,カルテにはローマ字でCHOIと書いてあります。

この看護師さんはそれをみて「チョイさん!」「チョイさん!!」と呼ぶものですから,患者さんは知らん顔です。

やっと患者さんを見つけて「アナタ,さっきから名前を呼んでいるのに!きょう,ストマック(stomach=胃),ケンサでしょ!」と,目をつりあげていったところ,その患者さんはびっくりしてその場に卒倒してしまったのです。

そうです。ケンサ(検査)を英語のキャンサー(cancer)と聞き違えたのでした。
あとで聞くと「看護婦さんが怖い顔をして『あなたはストマック・ケンソーよ!』とガンの宣告をしているように聞こえた」というのです。
言葉をチャンポンで使うと,こんな笑えぬ事態が起ってしまいます。


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