古本 : 11/10/04
今でも、忘れられないことがある。
なけなしの金をはたいて、神田の古本屋で本を買った。
財布の中のお金が足りなかったので、その分、ねぎった。その本を本屋に忘れたまま学寮に帰った。自分の部屋に入ってから忘れた事に気がついた。
しかし、神田まで引き返す勇気がなかった。もう50年も、昔のことだが、ある日突然思い出した。
今日は、本を売りに行った。身の回りの整理を始めると、まず本を処分しなくては、と思う。大部分は僕にとっては大事な本であるが、場所をとって邪魔になる。
僕は読むと、大切だと思うところに赤線を入れる。書き込みはしないが、読みおわった日付は記入する。
古本屋のおにいちゃんは、50冊ほどをパラパラとめくり「捨てておきましょうか」という。
書き込みや、赤線を引いた本は古本として、値打ちがゼロらしい。僕は一瞬とまどった。
「じゃあ持って帰る。」と言って、重たい本の束を自転車に乗せて持って帰った。
一度読んだ本だから、売れないから、それでもいいのだが、いくら身辺整理と生きても本を捨てるには、勇気が要る。
捨てるにはもったいない。そう思って、再読したが、赤線を引いたところ以外も、新しく、赤線を入れたいところが随所にあった。
本は変わらない。僕が変わったのだ。時間、という風雪にさらされて、生きていると、若い時に読んだ大切なフレーズだけでなく、今でも赤線を入れるところが出てきた。やはり本は、何回も繰り返して読む必要がある。
だから、これらの本を売ったり、処分したりしなくてよかった。と思った。
著者が一生懸命になって書いた本には魂が宿っている。その魂と向き合うのが読書というものだ。
話は飛ぶが、今は本を買う前に図書館で借りて、読む。そして、各値打ちのあるものかどうかを見極めたうえで、買うか買わないかを決めている。
今でも、忘れられないことがある。
なけなしの金をはたいて、神田の古本屋で本を買った。
財布の中のお金が足りなかったので、その分、ねぎった。その本を本屋に忘れたまま学寮に帰った。自分の部屋に入ってから忘れた事に気がついた。
しかし、神田まで引き返す勇気がなかった。もう50年も、昔のことだが、ある日突然思い出した。
今日は、本を売りに行った。身の回りの整理を始めると、まず本を処分しなくては、と思う。大部分は僕にとっては大事な本であるが、場所をとって邪魔になる。
僕は読むと、大切だと思うところに赤線を入れる。書き込みはしないが、読みおわった日付は記入する。
古本屋のおにいちゃんは、50冊ほどをパラパラとめくり「捨てておきましょうか」という。
書き込みや、赤線を引いた本は古本として、値打ちがゼロらしい。僕は一瞬とまどった。
「じゃあ持って帰る。」と言って、重たい本の束を自転車に乗せて持って帰った。
一度読んだ本だから、売れないから、それでもいいのだが、いくら身辺整理と生きても本を捨てるには、勇気が要る。
捨てるにはもったいない。そう思って、再読したが、赤線を引いたところ以外も、新しく、赤線を入れたいところが随所にあった。
本は変わらない。僕が変わったのだ。時間、という風雪にさらされて、生きていると、若い時に読んだ大切なフレーズだけでなく、今でも赤線を入れるところが出てきた。やはり本は、何回も繰り返して読む必要がある。
だから、これらの本を売ったり、処分したりしなくてよかった。と思った。
著者が一生懸命になって書いた本には魂が宿っている。その魂と向き合うのが読書というものだ。
話は飛ぶが、今は本を買う前に図書館で借りて、読む。そして、各値打ちのあるものかどうかを見極めたうえで、買うか買わないかを決めている。