■【心 de 経営】 経営四字熟語011 ■ 瓜田李下 (かでんりか) ネオンのホテル街を相合い傘で
■ 示唆の多い経営四字熟語
四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。
四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。
■ 瓜田李下 (かでんりか) ネオンのホテル街を相合い傘で
「瓜田(かでん)」の「瓜」は、畑になる瓜(うり)のことで、瓜畑で靴をはき直したり、靴紐を締め直したりしますと、あたかも瓜盗みをしているように見えるから止めた方が良いですよという戒めです。このことから「瓜田之靴(かでんのくつ)」という四字熟語もあります。
「李下(りか)」の「李」は、スモモのことです。すなわち、スモモの木の下で冠を直すことは、スモモを盗んでいるようにも見えてしまいかねませんので止めた方が良いと教えてくれています。このことから「李下之冠(りかのかんむり)」という四字熟語があります。
これらのことから「瓜田李下(かでんりか)」は、「人に疑われるような、紛らわしい行為はしないほうがよい」という戒めです。「瓜田に履(くつ)を納(い)れず、李下に冠を正さず」とも言います。
経営者・管理職も経営士・コンサルタントも、部下やクライアント・顧問先から信頼されないと業務をスムーズに行うことが難しい立場です。
小学校時代の担任が入院をしましたので、親しくしていたクラスメート数人で最寄り駅に集合することになりました。ところが、ドタキャンで私と女性一人の二人だけで見舞いに行く羽目になりました。
彼女が以前にその病院に行ったことがあるといいますので、彼女の案内で歩き始めました。人通りが少ない道となったところで雨が降り出してきました。ところが私は傘を持っていませんで、少々降りが強いこともあり、彼女が見かねて傘に入るように勧めてくれました。
昨今であればコンビニもあり、少し戻って買いに行けますが、傘を売っていそうな場所でもなく、躊躇をし、私は雨宿りをするから先に行くように促しました。女性は強いいますか、度胸が据わっているというのでしょうか、強引に私の手を引いて傘の下に引っ張り込みました。
ところが彼女が道を間違えて、歓楽街に隣接するホテルのある地域に迷い込んでしまっていたのです。彼女は顔色一つ変えず、「確かこちらだと思ったのだけれど」とひとりごとを言いながら歩くのです。第三者が見ればどう見てもホテルを物色しているようにしか見えなかったのではないでしょうか。
ドキドキするほど、純情であった頃の話です。
■ バックナンバー
これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。
https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef